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善勝寺だより

善勝寺だより

善勝寺だより 第113号

令和2年12月21日発行
発行責任者 明見弘道
(2ページ)
善勝寺だより第113号

東光山ミニ法話

 

『菩提和讃』その4
       妙心寺派布教師会現代語訳

出入(でいり)りの息(いき)の絶(た)えぬれば

野辺(のべ)の送(おく)りを営(いとな)みて

老(お)いも若(わか)きも仇野(あだしの)の

空(そら)の煙(けむり)と消(き)え失(う)せん

朝(あさ)夕(ゆう)撫(な)でし黒髪(くろかみ)も

蓬(よもぎ)が根(もと)の塵(ちり)となる

かかる憂目(うきめ)のあるゆえに

ひたすら菩提(ぼだい)を願(ねが)うべし

弘誓(ぐぜい)注1の願(がん)を身(み)につけて

忍辱(にんにく)注2精進(しようじん)注3怠(おこた)らず

布施(ふせ)注4や愛語(あいご)注5にこころざし

十善(じゆうぜん)注6の道(みち)歩(あゆ)みつつ

他己(ひと)注7をも自己(われ)と覚(し)る注8ならば

これぞ菩薩(ぼさつ)注9の浄土(じようど)注10なり

観世(かんぜ)注11の慧眼(えげん)注12明(あき)かに

弘(ひろ)く衆生(しゆじよう)に回向(えこう)注13して

ともに濁世(じよくせ)注14を渡(わた)るべし


注1  すべての衆生を救済しようとする大きな誓い
注2  耐え忍ぶことをいい、六波羅密の一つ
注3  精魂を込めて仏道に励むこと、六波羅密の一つ、他は、布施・持戒・禅定・智慧
注4  施し与えること、四摂法の一つ
注5  慈愛に裏づけられた優しい言葉をかけること
注6  十種の善い行い、殺生・偸盗・邪淫・妄語・両舌・悪口・綺語・貪欲・瞋恚・邪険を行わないとこと
注7  自己以外の他の存在
注8  悟る・目覚めるの意
注9
悟りを求める強い願心を持つ修行者
注10 仏や菩薩の住む世界
注11
世の中をありのままに観ること
注12 世間を見るための智慧の眼(まなこ)
注13 自分の行った善い行いの結果として得られた功徳を、他に振り向けること
注14 五濁にみちた悪しき世の中

現代語訳 

       妙心寺派布教師会による

臨終を迎えてお葬式を勤めたのちは、その亡骸は老若男女区別なく火葬にされて消えてしまいます。

大切にしてきた黒い髪も土へと還ってしまいます。

何とも悲しいことだから、せめて成仏することを願うばかりです。

「四弘誓願(しぐせいがん)」を実践して、「六波羅蜜を」行じ、「四摂法(ししようぼう)」に勤めます。

仏道を行じて自他の分別がないことに気づくことが本当の幸せでした。

仏の智慧と慈悲の働きをもって、生きとし生けるものに廻らして、みんなでこの住みにくい世を生き抜くのです。

*「四句誓願」衆生は限りなく多けれど救おうと願う。煩悩は尽きることなく多けれど断とうと願う。教えは無量にあるけれど学ぼうと願う。仏道はこの上なく尊いけれど完成したいと願う。

*「四摂法」布施(財施・法施・無財の七施)。愛語。利行。同事。

(つづく)

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