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善勝寺だより 第108号令和元年9月10日発行発行責任者 明見弘道 (1ページ) |
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坐水月道場
修空華萬行
水月(すいげつ)の道場(どうじよう)に坐(ざ)し
空華(くうげ)の万行(まんぎよう)を修(しゆう)す
と読みます。私がこの句に初めて出会ったのは道場(平林僧堂)で「禅林句集」(禅語が文字数順五十音順に載っている本)を見ていたときです。なんと美しい句かと思いました。
意味のことなどどうこう思う前に、この句に惹かれるものがありました。
禅林句集には、「水月も空華も遊戯の妙用に喩う。達人が行じて行相を留めぬ妙境界」とあり、かえって何のことかわからなくなってしまいます。
平田精耕老師の「禅語事典」には、『無心かつ自由無碍(むげ)な境地で腰を据え、一切を空と達観して執着から離れていくようでなければならない』と、あります。
水面(みなも)に映っている月を眺めている観音さまを「水月観音」といいます。鎌倉東慶寺の水月堂に祀られている水月観音は特に有名で、重要文化財になっています。水面に映っている月は、実態がありません、私達が立っている、この場(道場)も確固たる場所と思いがちですが、どこも水月の道場なのです。
「空華」も空の花で、実態のないことを言います。「萬行」は私達の一つ一つの行いのことです。悟りを得ようとして修行することも、衆生を済度しようといろいろの方便をたてることも、結局は空華の萬行ということです。
新座市平林寺の先々代の住職放牛窟圓應老師の遺偈(ゆいげ)(辞世の句)は、
坐水月場 修空華行
末後一句 夢中夢忘
水月場に坐し 空華行を修す 末後(期)の一句 夢中に夢を忘ず。
でした。来年はもう超祥忌(七回忌)です。 私も心から尊敬した、現代の名僧でありました。
『ご案内』
秋季彼岸会
下記の如く、彼岸法要を厳修致します。
今年は、本山妙心寺より、巡教師さんが来られますので、お中日ではなく、26日となりました。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。
ーーー 記 ーーー
9月26日(木曜日) 午後2時より
彼 岸 法 要
法要終了後、
本山巡教師法話
岐阜県正覚寺足立宜了師
*彼岸供養料、塔婆料(1基6,000円供養料含む)は、庫裡玄関にて受付いたします。
(生花の販売はありません)
彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。
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