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第76号 秋彼岸号(平成23年9月7日発行)

善勝寺だより 第76号
平成23年9月7日発行
発行責任者 明見弘道
残暑お見舞い申し上げます。
檀信徒の皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。
ここ境地区の青々とした水田には白鷺が飛び交い、大震災や原発事故のことなど忘れてしまいそうな穏やかな光景です。
しかし出穂の時期となり、だれもが心配するのが放射線の影響です。冷静な対応で風評被害などないことを祈っています。

さて、先月の施餓鬼法要には猛暑の中、多数ご参拝頂き誠にありがとうございました。
今年は、震災被災地花園会会員(妙心寺派の寺の檀徒)に対する見舞金の協力をお願い致しましたところ、多くの参拝者の方より心のこもった見舞金を頂戴致しました。施餓鬼会当日、役員で集計したところ66万円余ありました。その後にお持ち戴いたものと、寺からの100万円を合計し、169万円を、当寺花園会から被災された花園会員に対する見舞金として、本山の災害対策本部に送金致しました。
ご協力誠にありがとうございました。

また、被災された寺院に対する支援は、今後2年間にわたり賦課金(毎年本山に納める課金)が増額されることになっております。これらに関しては、一般会計より支払いますので、当寺としては、今後今回の震災に関しての協力金などをお願いする予定はありません。
しかし、今回の震災の被害は甚大であり、復興には長い年月を要します。今後数年間は、施餓鬼会の供養料の一部を義援金に充てたいと思っています。

さて、もうお彼岸のご案内をするときとなりました。今年の春彼岸会に予定しておりました落語会が震災のため中止となりましたので、今回開催することにしました。多数お参り下さいますようご案内申し上げます。

文末になりましたが、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます

明見弘道 合掌

ご案内

秋季彼岸会と落語会

例年のごとく、お彼岸の中日(秋分の日)に彼岸法要を厳修致します。
尚、法要後に落語会も開催しますので、檀信徒の皆様、ご近所お誘い合わせのうえ、多数ご来山下さいますよう、謹んでご案内申し上げます

9月23日(金曜日)午後2時より 彼岸法要
2時40分~4時00分 落語会

*ご供養料大人一人あたり、千円以上、また、お塔婆申し込みの方は、供養料のほかに一基3千円を、玄関受付にて役員にお渡し願います。
また、塔婆を建てられる方は、前もって、電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい、施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その3

3 「かれは、われを罵(ののし)った。かれは、われを害した。
 かれは、われにうち勝った。かれは、われから強奪した。」
 という思いをいだく人には、怨(うら)みはついに息(や)むことがない。
4 「かれは、われを罵(ののし)った。かれは、われを害した。
 かれは、われにうち勝った。かれは、われから強奪した。」
 という思いをいだかない人には、ついに怨(うら)みが息(や)む。
5 実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。
 怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。(中村 元 訳)

過去のことはさっさと忘れて、その日その日新たな気持ちで生きてゆけたらどんなにか幸せでしょう。
「毎朝顔を洗うように、毎日新しい意識で、新しい世界を生きてこそ人生の意義と価値と幸福が発見されるであろう。」(無文老師の法句経講話より)

しかし私たちは、いつまでも過去にこだわり、悲しんだり腹を立てたりします。夫婦・親子・兄弟でもちょっとした行き違いをいつまでも根にもって蒸し返しては喧嘩します。
人間の執着心はとても根深いものがあります。この執着心が我々の心を乱し、社会を混乱に陥れ、それがまた戦争へとつながっているのです。
「人類が戦争に終止符を打たなければ、戦争が人類に終止符を打つであろう」ケネディ元大統領の言葉です。
原爆を積んだ大陸間弾道弾が行き交うことになったら、人類に終止符を打つことになります。
とにかく平和でなくてはなりません。人の心も、家庭も、社会も、国家も。そして世界が平和でなくてはなりません。その平和を破るのが人の心に根づよく巣喰う怨みの心です。

まこと、怨(うら)みごころは いかなるすべをもつとも
怨みを懐(いだ)くその日まで 人の世にはやみがたし
うらみなさによりてのみ うらみはついに消ゆるべし
これ易(かわ)らざる真理(まこと)なり

以上は友松圓諦師の訳です。漢文調で重みのある詩になります。
この怨みの心をなくせよ、怨みの心を忘れよといっても、そう簡単ではありません、怨みの心を抑えようとすればすれほど、怨みの心が大きくなることもあります。
怨みは心に刺さったトゲのようなものです。目に入ったゴミを取ろうとして、こすればこするほど奥に入ってしまうのと同じで、心のトゲも取り除こうとして、もがけばもがくほどより奥に入ってしまうものです。目に入ったゴミもほっておけばいつの間にか取れていたということがありますが、怨み怨まれていた人とも、何かのきっかけで仲良くなることもあります。

それは、自分の心が素直になれたときがそのきっかけとなります。静岡県に、清見潟(きよみかた)という名所があるそうです、また、清見寺という寺もあります。清らかな素直なものの見方、ありのままをそのままに見てゆくという意味です。
その逆が、「あの人はあんなにきれいことを言っているがあれは本心ではない」、などと裏を見てゆこうとすると、怨(うら)みにつながります。子供のような無邪気な心、無心が怨みを解く鍵といえるでしょう。

〈つづく〉

施餓鬼法要へのご参拝と花園会員への見舞金のお礼

今年も猛暑の中、山門施餓鬼に多数ご参拝頂きありがとうございました。

特に今年は、被災された花園会員に対する見舞金をお願いしたところ快くご賛同頂き誠にありがたく思う次第であります。心よりお礼申し上げます。
昨年より施餓鬼法要は、各座への地域による振り分けを厳密にしないで自由にしておりますが、今年も午前中の二座が混み合いました。せっかくお参りいただいても本堂に入ることができないで、書院や庫裡でお待ちいただく結果になり申し訳なく思います。
午後1時半からの第三座は比較的に参拝者が少なく、全員ゆったり座って頂くことができ、エアコンもよく効いて、外は一番暑い時間帯でありますが、本堂内は快適でありました。是非来年の参考にして頂けたらと思います。

また、法要と法要の間は自由参拝時間であります。ご用がある方などで、1時間着座して参拝することが出来ない方はこの間に焼香・水向けをすることができます。
お盆のこの日、本堂に上がり、ご本尊様と、先祖様に対して焼香して手を合わせる。また、三界の萬霊に対してお米と水を手向け、感謝の気持ちを捧げることは、それだけで大変有意義なことと思います。

来年も今年と同じ要領で施餓鬼法要を行う予定ですので、ご承知おき願います。

役員を始めお手伝いいただきました皆様には暑い中、長時間に渡り誠に有り難うございました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

恒例にしています施餓鬼会供養料の一部を寄付する件ですが、今年は施餓鬼供養料の内から百万円を被災された花園会員に対する見舞金としましたので、それ以外への寄付は見合わせて頂きました。

ご案内

第16回 わかる仏教講演会

隔年に開催しております、鴻巣仏教会主催の講演会です。
以前にも松平實胤師の講演を拝聴したことがありますが、わかりやすくとても良いお話でした。
是非友人知人をお誘い合わせの上、多数ご来場下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

日時 11月28日(月曜日)
午後2時開演(12時半開場)
場所 クレア鴻巣大ホール(免許センター近く)
講師 尾張最古刹 真言宗智山派 寂光院山主 松平實胤師


入場は無料ですが、整理券が必要です。お彼岸までには整理券が用意できますので、お墓参りの際、玄関にお立ち寄り下さい。
また、1時ごろからは、原馬室に古くから伝わる、真言祈祷太鼓もあります。早めにご来場下さい。

裕っさんこと金井和尚退任

英裕和尚は、平成19年春より法務の加担をお願いしておりましたが、結婚を期に自坊であります、宗清寺の法務に専念したいとのことで、8月末日を以て退任されました。善勝寺のため本当にまじめに一生懸命お勤め下さいました。
檀信徒の皆様にも、何かとお世話になりました、本人になりかわってお礼申し上げます。

次に、5月よりご加担頂いております、圓さんこと小川泰宏和尚は、裕さんからの引き継ぎも終わり、こちらの生活にも馴染んでまいりました。
今後、裕さんに替わり、住職の名代として葬儀・法要に出頭することもあろうかと思います。その時は裕さん同様宜しくお願い申し上げます。

編集後記

  • 「善勝寺だより」76号をお届け致します。
  • 永代供養合同墓『東光山合同船』のことですが、申し込みの方が多くE区西側の残数が少なくなり、第五期工事として、D区E区の東側に増設しました。中央には大きいお地蔵様を建立しました。墓地全体を見渡すような位置で、皆様のご先祖様をお守り頂けることでしょう。是非お参り下さい。
  • まもなく彼岸花(曼珠沙華)も咲くことでしょう、墓参の折散策下さい。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。それには護持費のお願いと郵便振替を同封致します。お早めに納入いただきますようお願いします。
  • また、来年年忌法要が当たっておられる家には、今年11月末に年忌法要のお知らせを郵送致します。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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