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第77号 年末号(平成23年12月21日発行)

善勝寺だより 第77号
平成23年12月21日発行
発行責任者 明見弘道
今年も余すところあとわずかとなりました。檀信徒の皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか。

今年は、大震災とそれに伴う原発事故。集中豪雨による大洪水などと大変な年でありました。
多くの犠牲者とそのご遺族。今なお不自由な避難生活を強いられている方々のことを思うと、来年以降も援助の手を休めてはいけないと思う次第であります。
また、「絆」と「命」いうことを考えさせられた年でもありました。
正月以降お配りする教区のポスターには、『絆を力へ未来へ』とあります。復興を願う暖かい心を形にして被災者に伝えたいものです。

さて皆様は、日野原重明先生という方をご存じでしょうか?聖路加国際病院の名誉医院長で今年百才になられ永代供養の善勝寺、仕事の予定が3年先まで詰まっているというお方です。国内はもとより海外においても活躍なされておられ、とても百才とは思えないかくしゃくとされております。

その日野原先生のことが朝日小学生新聞(10月28日)に載っていましたのでご紹介します。
記者「時間には単位があります。いのちは何で表されるものですか?」
先生「人の命の長さのことを寿命と言います。わたしがイメージする寿命は、手持ちの時間が減っていくことではなく、一瞬一瞬の大事な時間を、大きな空っぽの器に詰め込んでいくものです。何を詰め込むかは、一人一人の自由。いのちは長さでなく、量であったり重さであると思います。」
とても良い表現と思いませんか。今あるこの命を有り難いことと感謝し、一瞬一瞬の時間を大事にして生きたいものです。

来年は、皆様の命という袋が、すてきなことでがいっぱいになりますようお祈り申し上げます。

明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月20日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(月曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

平成24年正当年回表

壱周忌
平成23年
参回忌
平成22年
七回忌
平成18年
壱拾参回忌
平成12年
壱拾七回忌
平成8年
弐拾参回忌
平成2年
弐拾七回忌
昭和61年
参拾参回忌
昭和55年
参拾七回忌
昭和51年
五拾遠年忌
昭和38年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、
法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その4

6「われらは、ここにあって死ぬはずのものである」と覚悟をしよう。
──このことわりを他の人々は知っていない。しかし、このことわりを知る人々があれば、争いはしずまる。(中村元 訳)

前回の「5」と、「6」は対(双)になっていますが、5の「怨みに報いるに怨みを以てしてはならない」という有名な言葉があるので6はあまり解説されてないようです。しかし、ここはとても大切なところです。
私たちだれもが、生あるもの必ず滅することを知っています。しかし、自分自身が死ぬ身であることは深く考えません。考えないようにしているといった方が良いかもしれません。
「どうせ死ぬんだから」とか「私が死んだらね」などと軽く口にしますが、切実に自分の死ぬことを考えている人はまれです。遠い国のおとぎ話のようにまるで縁のないひとごとのように、考えがちで、自分だけは死なないような感じがしているのが実情だと思います。
生命への執着の強さというものは私たちに否定することはできません。

親鸞聖人に唯円房(ゆいえんぼう)というお弟子さんがありました。あるとき唯円房は師に、「私はちっとも極楽の世界へ生まれたくありません。それどころか、この娑婆世界にいつまでも生きながらえていたいと思います。これは私の迷いでしょうか」とたずねました。親鸞聖人は、「唯円房よ、私も同じ心にてありけり」と答えられたそうです。
しかし釈尊は「我らここ死の領域に近し」と言われました。「山の中に逃げようと、海の中に逃げようと、空に飛び逃げようと、この地下にもぐりこもうと、この地上に生みつけられたる者、誰が死をまぬかれんや」と法句経にあります。
怨みの心、争いの心が起こったとき、仏教では死を念ぜよ、死ぬのだと観ぜよと教えます。死を知り、死を念じ、死を正しく念ずる者こそ、悟りに達せる者、すなわち「ほとけ」を念ずるものだ、「念死念仏」と教えます。
正しくおのれの死を見つめたときに、はじめて悟りに対する人間の目覚めがあります。死を正見(しようけん)する者だけが正しい宗教を知ることができる。
死を自覚することは元気がなくなること、元気の喪失でなくして、1分間をも活動したいという、生命の尊重と申しますか、まことに真に生きることの尊重であります。従って、この死を見つめることは、決して生命の否定どころか、真に正しく生きること、すなわち、人生理解を深めるものであります。この念死の体験こそ真の仏教徒となる入り口であり、争いを鎮める唯一の道であるとこの句は教えています。

今回は友松圓諦師の『法句経講義』を参考にしてまとめました。

(続く)

花園会のコーナー


花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
来年平成24年は、大正14年生まれの方、大正2年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。

平成24年度護持費納入の件

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。いわば、善勝寺檀信徒の年会費であります。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。檀徒の方は、本山妙心寺の花園会員として登録しておりますが、本山花園会費、教区花園会費も、護持費より支払っております。
「合同船」へのお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力をお願い申し上げます。
平成24年度の護持費の納入期限は、同年3月末日となっていますが、お忘れにならないうち、早めにお振り込み頂ければ幸甚に存じます。

尚、郵便局での「振替払込票」を以て、領収書とさせて頂いておりますが、この用紙は、一年以上保管下さいますようお願い申し上げます。

尚、過年度分が未納になっておられるかたは、加算して納入下さいますよう重ねてお願い申し上げます。3ヵ年以上未納となった場合は、墓地使用許可を取り消すという規定になっております。ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

(役員一同)

ご案内

『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。
観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意をしております。

正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。
檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品、ポスターなどを差し上げています。

今年は、別紙案内の如く3日の祈祷会に引き続き

新春落語会を開催します。

元旦・3日ではなく、是非3日に、ご近所、お友達をお誘い合わせの上、多数ご来山下さいますようご案内致します。

なお、お参りの際には年賀として、大人一人当たり「千円以上」ご用意頂きますようお願い申し上げます。
この落語会は毎年お正月に行う予定にしています。

春秋の彼岸会には、法話会を充実させてまいりたいと考えております。

役員会議事録より

12月9日午後5時から、伊豆「小涌園」に於いて、主に次年度事業と予算の審議を行うための『定例総代会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。
    イ、離れと公衆トイレ新築工事進捗状況。
    ロ、歴代住職塔所は、1月に工事開始する。
    ハ、今年度入檀者・11月末日までの、会計収支を報告。

  2. 平成24年度行事・事業計画。
    行事は23年に準じて行う。
    特に事業計画はなし。

  3. 「平成24年度一般会計予算」(案)を原案通り可決承認。

  4. その他。
    イ、寺班と法階が昇進すること。
    ロ、震災見舞金受給・支払い完了のこと。等々。

編集後記

  • 『善勝寺だより』年末号(77号)をお届けします。
  • 新たに増設しました、永代供養合同墓の中心は大きなお地蔵様であります。12月1日開眼供養致しました。
    墓参の折線香をあげてお参り下さい。
  • 前述の日野原先生は、できればこれからの寿命を、自分のためだけでなく、もっと人のために使いたい。
    人のために時間を使えたとき、時間は一番生きてくるからです。とも語っておられます。
  • 11月28日、クレア鴻巣での、仏教講演会に多数ご来場頂きありがとうございました。
  • 次号『善勝寺だより』は、3月彼岸前に発行する予定です。
  • 来年は、皆様にとってより良い年でありますように念じております。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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