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第79号 お盆号(平成24年6月26日発行)

善勝寺だより 第79号
平成24年6月26日発行
発行責任者 明見弘道
近くの田圃は、すっかり田植えも終わり、若い苗が梅雨の細かい雨に洗われています。
蛙も、このときを待っていたかのように、ひときわ大きな声で合唱しています。
檀信徒の皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
寺内は、おかげさまをもちましてみんな元気で、寺務に励んでおります。副住職の住まいであります、管理棟「北辰軒」並びに参拝者用トイレも無事完成し、六月五日落慶法要を行いました。北辰軒のいわれですが、「北辰」は北極星のことを言い、この管理棟は、善勝寺境内の北の端に位置しておりますことから命名しました。因みに、当寺観音堂(観音様の右側)には、北斗七星を手に持った、北辰妙見菩薩をお祀りしております。
普段、観音堂は開いていませんのでお目にかかれませんが、施餓鬼法要の受付は観音堂です。震災で傷んだ観音様もきれいに修復されていますので、併せてお参りください。
次に、臨済宗妙心寺派花園会の今年度の研修推進テーマは、「行ずる」であります。
花園会員の生活信条には、活かされている自分を感謝し 報恩の行を積みましょうとあります。
私たちは日々何気ない毎日の生活の中で、全てのものごとが、当たり前のこととして済まされてしまっていると「ふと」思い当たることがあります。
健康を損なった時に、始めて健康であることの尊さに気付いたり、豊富にある水や空気や太陽光の有り難さや尊さを天候の異変や人的な災害によって始めて感じたという人も少なくないでしょう。(推進のしおりより)
物質的に恵まれた豊かな時代でありますが、「生かされているという事実を受け止める心」を養っていかなくてはなりません。
先祖代々から両親、そして、私に至るまでの生命の流れ。
動物、植物、それらを生かしている、太陽の光、空気、水、何一つ欠けても生きていくことができないという事実。
それを実感すると、自分の生活だけでなく他人の生活も大切にしなくてはいけないことに目覚めることになります。
そしてまた、すべての命を育み、生かし、守っていくことが、私たちの使命であることに気づかされます。
その気づきから、私たちにできることを実際に行っていきましょうということで、「行ずる」というテーマができました。
さて、八月十三日は当山の施餓鬼法要です。ご先祖様の供養と同時に、動植物全ての命に感謝し供養するのが施餓鬼会です。多数ご参拝下さいますようご案内申し上げます。

明見弘道

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その6

[75]現世利益(利得)に達する道と、涅槃(安らぎ)に達する道と、全く相反する道がある。
このことわりを知っている仏弟子たちは、名誉を喜ばないほうがよい。
そして離欲の道を歩めばよい。

今回は、スリランカ仏教会長老A・スマナサーラ師の著書「原訳法句経」から、引用させて頂きます。
この箇所には、『ものに依存しない生き方』という副タイトルがついています。
「建物が必要だ。道路が必要だ。飛行場が必要だ」「エネルギーがたくさん必要だ。原発も必要だ」「もっと経済成長が必要だ」……。私たちの社会は、作っては壊し、作っては壊しというサイクルになっています。そのサイクルをやめたら、駄目になってしまうと思い込んでいます。しかしそれは自己破壊のサイクルで、行き着くところのは、地球の破壊です。
私たちは「あれが欲しい、これが欲しい」「まだ足りない」と走りまわっています。一時的に欲を満たしても、またさるなる欲がでてきます。それでは、いつまでたっても満たされることはありません。ずっと燃え続ける炎ようなものです。
わたしたちは、いつも「貧(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」という煩悩の炎で燃えつづけているのです。欲しいものをあげるというのは燃料を与えていることになります。炎は消えることなくさらに燃えて、さらに燃料を求めることになるのです。だから、燃料がいくらあっても足りないのです。わたしたちの欲が尽きることはありません。
すべての問題は心にあります。お釈迦様は、この世の中は「利得に達する道」で、それは「苦しみの道」であると言われます。だから「永遠の安らぎに達する道」を説かれたのです。
利得を追っていたのでは、いつまでたっても心は平安になりません。追えば追うほど、安らぎがなくなってしまいます。ものやかたちに依存した生き方は、車に荷物を積めば積むほど、重たくなって動けなくなるようなものです。ものだけではなく財産や地位や肩書きなども同じです。ふえればふえるほど、息苦しくなるのです。
なにものにも依存しない生き方こそが、「安らぎに至る道」なのです。

(つづく)

花園会のコーナー

一ページに書きました推進テーマ
「行ずる」の続きですが、全国の花園会員三十五万所帯みんなで実践しましょうというのが次の六項目です。
一、省エネ。二、節電。三、節油。
去年から皆さん心掛けておられることと思いますが、去年の計画停電のことやガソリンを求めて並んだことを思い出して、引き続き電気・ガソリンなど、むだのないよう心掛けましょう。
四、リサイクル。古くても使えるものはたくさんあります。「もったいない」精神を発揮しましょう。
五、節水。有り難いことに日本は水が豊富な国ですが、毎日遠い井戸まで水を汲みに行っている人が多くいることを思い、水の尊さを忘れないようにして、節水を心掛けましょう。
六、いのちを生かす。私たちは動植物の命をいただいて生きています。感謝して食事をいただくと同時に、地球環境をこれ以上悪化させないことが、数多くの生命を守っていくことにつながります。
これらをみんなで実行することこそが、報恩の行であります。

事務局よりのお願いとお知らせ

その一、護持費未納の方へ

当寺の檀徒(平成四年以前に檀徒として登録されている方、平成四年以降墓地を取得された方)、および、本堂内にご遺骨を預けられている方は、墓地使用規則並びに預骨規定により護持費は、前年度三月三十一日までに、納めて頂くことになっています。
右該当者で平成二十四年度護持費を納めておられない方に対しましては、六月に再度納入のお願いを郵送しましたが、未だに未納の方があります。至急お納め頂きますようお願い致します。

その二、参拝者用トイレと水場のこと

六月、北駐車場にトイレと水場が完
しました。以前にも書きましたが、このトイレの使用時間は、午前九時から午後五時までとし、夜間は施錠致しております。ご了承願います。
G区にあった水場は、トイレ前に移動しました。道路を横断することになりますので、車には十分注意して渡って下さい。ここの水場には、線香着火ライターは置いてありません。各自ご持参下さいますようお願い致します。また、桶は元にあったところにお返し願います。

その三、鈴幸の料理メニューのこと

書院での会食は、鈴幸さんにお願いしておりますが、メニューが変更になっています。新パンフレットでご注文下さい。すでに旧パンフレットでご注文いただいている方はそのままで承れます。

その四、本堂西側楠の木を切ります

大きくなった楠の木ですが、木の下にあるお墓が汚れ、ご迷惑をおかけ致しておりますので、元から切ることにしました。替わりには樫の木を植える予定です。

役員会議事録より

5月7日午後5時半より、鴻巣市『さわ』において『善勝寺定例総代会』を開催しました。平成23年度会計決算承認の件などを審議し、各議案とも提案通り承認されました。
以下、決議事項を報告致します。

  1. 現状報告。
    管理棟(北辰軒)と外トイレがほぼ完成し6月5日落慶法要をすること
    歴代住職塔所改修工事、並びに合同船(第五期)工事完了したことを報告した。

  2. 平成23年度の会計決算の件。
    報告の通り適正であると承認。
    剰余金2千万円余は、24年度会計に繰り越すことを承認。
    (檀信徒の皆様には、本決算書を同封しました)

  3. 管理棟跡地の件。
    これまで使用してきた管理棟は六月の内に解体整地し、墓地用地(63区画分)として、市に申請することが了承された。

  4. 責任役員交代に関すること。
    小川浩責任役員は、体調が理由で辞任したいとの申し入れなのでこれを承諾し、顧問に就任していだだき、小熊正悦総代が責任役員に就任することを決定。
    会計監査は、責任役員以外で行うことが通常であるので、古山徳治郎総代と小川勝男総代2人を、監事とすることを決定した。

  5. 「合同船納骨規定」文言追加の件。
    6条、「33年を経過した遺骨は、同カトート内の土中に埋蔵します。」のあとに、「但し、複数同時申し込みの場合は最後に納骨された遺骨に合わせて、一緒に埋蔵します。」を加えることを承認された。

  6. 施餓鬼会に関する件。
    昨年に準じて行うことが了承され、案内に関しては住職に一任。

以上、決議しました。

7時からは懇親会とし、お酒を交わしながら和やかに意見交換をしました。

編集後記

  • 『善勝寺だより』お盆号(79号)をお届けします。
  • 塔所(歴代住職の墓)に先々々代住職第15世?橋文律和尚の墓がなかったのでこの度建立しました。ついでに18世弘道和尚(私)の墓も建てておきました。でもまだここにはお参りしないで下さい。
  • これで、涅槃衣(棺に入るとき着せてもらう白い麻の衣と袈裟)・頂相(葬儀のとき掛けてもらう肖像画)・納骨できる石塔。3点セットがそろいましたのでいつでもOKです。
  • 今年も、施餓鬼当日、当寺にて「墓参用生花」を販売致します。
    2束で1,000円のものと、1,500円のもの2種類用意致します。安くなっていますので是非お求め下さいませ。
    尚、販売は8月13日のみです。
  • 同封の書類は、本書の他、施餓鬼法要のご案内(鶯色)・お盆とお施餓鬼(青色)・施餓鬼 塔婆申込書(ハガキ)・ハガキの書き方(黄色)・一般会計収支決算書(白色) です。
    不明なことは朝9時以降、夕方5時ぐらいまでに電話でお問い合わせ下さい。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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