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第88号 秋彼岸号(平成26年9月10日発行)

善勝寺だより 第88号
平成26年9月10日発行
発行責任者 明見弘道
一葉落知天下秋(いちようおちててんかのあきをしる)

朝夕はめっきり涼しくなり、櫻の葉もぱらぱらと落ち始めました。銀木犀(ぎんもくせい)も白い花をいっぱい付けて、良い香りを漂わせています。暑かった夏も終わり、すっかり秋です。
檀信徒の皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。

さて、先月の施餓鬼法要には、多数ご参拝頂き誠にありがとうございました。
今年は、一座から四座まで各座とも、本堂空席なく参拝者で埋まりました。せっかくお参りにおいで下さったのに、本堂に入れなかった方が多数あったと聞いております。また、午前中駐車場が混乱し、皆様には大変ご迷惑おかけ致しました。
法要後に役員並びにスタッフの方と来年に向けて意見交換しましたが、本堂内での案内、駐車場の誘導、受付と本堂係との連携などに問題があったことが反省点としてあげられました。
駐車場は、あと2、30台分ほど確保する必要があるかと思います。
ただ当日は曇りで猛暑でなかったため、熱中症などで気分が悪くなった方は居られなかったようでホッとしました。
今年初めて、「かき氷の」店を出したのですが、売れ行きはもう一つで、猛暑日であったら、などとの話も出ました。(笑)
何がともあれ、今年も施餓鬼法要が多数の参拝者を迎え無事終えることができましたのも、準備から後片付けまで、お骨折り頂きました役員さん、また当日スタッフとして、受付、花売り、接待係など積極的にご協力頂きました役員の奥様かたがた、そして今年は役員さん以外の方にもお手伝いをお願いしたところ、快く引き受けて頂き、大変助かりました。
ご協力頂きました方々には、この場を借りて、厚く御礼申し上げる次第であります。

檀信徒の皆様に於かれましては、ご自愛頂き、またお彼岸にもお参り下さいますようお願い申します。

明見弘道

ご案内

秋季彼岸会

彼岸法要は、お彼岸の中日(秋分の日)にを行うのが恒例でしたが、今年は本山から布教師さんが来られることになりましたので27日(土)に厳修致します。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

9月27日(土曜日)
午後2時より彼岸法要
法要終了後(2時半頃)
本山布教師による法話


*ご供養料、塔婆料(一基3千円)は玄関受付にて役員にお渡し願います。
また、彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その15

いと小さき 幸は捨てなん
大いなる 幸世に有りと善勝寺だより
知りたらば 賢き人は
大いなる 幸をのぞみて
いと小さき 幸は捨つべし
(290)
中村元氏のパーリ語からの現代語訳は、「つまらぬ快楽を捨てることによって、広大なる楽しみを見ることができるのであるなら、心ある人は広大な楽しみをのぞんで、つまらぬ快楽を捨てよ。」となっています。

仏教では「三界(さんがい)」と言う言葉をよく使います。施餓鬼法要の時も、施餓鬼棚の中央に「三界萬霊(さんがいばんれい)」と書かれた大きな位牌を祀ります。
三界とは、欲界、色界、無色界の三つの世界を云います、三つの世界はいずれも迷いの世界であって、その三つの世界をぐるぐるさ迷っているのが我々凡夫であります。
山田無文老師の説明によりますと、欲界とは、ただ欲望だけに生きる価値を感じている凡夫の世界、食欲、性欲といった本能的欲望の追求だけに生き甲斐を感じている人達の世界である。

色界は物の世界です。動物的欲望からではなく、物そのものを愛して研究し或いは収集する人達の世界である。謂わば科学的趣味に生きる人達の世界であり、欲界の凡夫よりは些か高尚ではありますが、迷いの衆生であることは同じであります。
無色界とは、物のない世界で、専ら精神的な世界であります。欲望の追求でもなく、物の研究でもなく、全く精神的な喜びに生きる人達であります。芸術家であるとか詩人であるとか、或いは哲学者であります。しかしこれも仏教に立場から見れば、まだ凡夫であることを免れない。
わかりやすくたとえて云うならば、女性の裸体を見てすぐ性欲を感ずるものは、欲界の衆生であり、それを一個の物体とみて医学的判断などを下す人は色界の衆生である。更にそれを芸術的対象として画がかけ、詩のできるような人たちは、無色界の衆生ということができよう。

しかしこの三つの世界が、別々にあるのではなくして、一人の人間が、時には色界で働くかと思えば、時には無色界に遊んで嘯(うそぶ)き、また時には欲界に堕(お)ちこんで呻吟(しんぎん)したりもするのである。
つまり三界を輪廻して、悩むのが凡夫の常である。
欲界には欲界の楽しみがあり、色界には色界の楽しみがあり、無色界には無色界の楽しみがあって、それぞれの世界に生き甲斐を感じているのでありますが、それらの楽しみや幸せを「いと小さき幸」と、お釈迦様は説かれているのであります。
「大いなる幸」は言うまでもなく、「三界出離(さんがいしゆつり)」悟りの世界であります。
「三界は悉くわが有(う)なり、そのうちの衆生はみなわが子なり」とお釈迦様は述懐されました。全世界を我が家とし、全人類を我が子として生きる最高の生活、それ以上大きな楽しみがどこにあるでしょうか。
悟り、つまり完成された人間を目指して歩む、そのことこそに喜びを感じる。そんな生活を送りたいものです。

〈つづく〉

施餓鬼会塔婆申込のこと

今年も施餓鬼会の塔婆を多数お申し込み頂き、誠に有り難うございました。
一基につき6千円納めて頂きましたが、そのうち3千円を塔婆代として、残り3千円は、施餓鬼会供養料として一般会計に入金致しました。
当寺檀徒で、墓地取得のみの方を除き、一軒に一基以上の施餓鬼塔婆をお申し込み頂くようお願い致しておりますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

さて、施餓鬼会塔婆料納入の件ですが、受付の混乱を少しでも解消するため、また、供物などをお渡しする関係上、13日当日ご来山頂ける方は、自由参拝の方も含め全員の方、受付にて現金で納めて頂きますようお願いします。当日お参りできない方のみ、郵便振替にてあらかじめ納入下さいますようお願い致します。

施餓鬼塔婆は、施主(案内状の宛名)の50音順に並べてあります。また、一軒で複数お申し込みの場合は、施主のかたを一番前にして紐で縛ってあります。勝手に塔婆を別の場所に移動したり、縛ってある紐をほどいたりしないようお願い致します。

次に、塔婆は原則としてご自身でお墓に建てて下さい。8月17・8日までは本堂前庭の塔婆立てにそのまま残しておきます。それ以降塔婆立ては撤去しますので、書院の前に立てかけておきます、遠方の方で、どうしても八月中にご来山できない方は別として、できる限りご自身でお墓にお建て下さいますようお願いいたします。

本堂に預骨されている方、塔婆が建てられない霊園などの方は、「お焚き上げ塔婆」のコーナーに移動して頂ければ後日供養の後お焚き上げ致します。
以上色々とお願いの義ばかりでありますが、来年以降よろしくお願い致します。

ご案内

法話の集い

毎年春と秋に、京都本山妙心寺より布教師さんが、各教区を訪れ法話をされますが、今回善勝寺がその会場となります。およそ四年に一度のことであります。
お彼岸明けではありますが、彼岸法要と法話会を合わせて行います。
日頃、私の話は「お茶漬け」のようなものでしかありませんが、この度は「フルコースの懐石料理」といったお話を味わって頂けるものと思います。
多数ご来山下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

日時 9月27日(土曜日)1時半受付け開始
2時法要、引き続き法話
3時半頃終了予定
場所 善勝寺本堂
布教師 広島県三次市鳳源寺住職 和田牧正師
演題 『おかげさまの心』 今・ここ・私のいのち

事務局からのお願いとお知らせ

  • 水桶は元にあったところに戻して下さい。特に新しい水場には、大きい水桶は収まりません。かたちを統一してありますので元にあった場所に返して下さい。また、個人所有の桶は、寺の棚には置かないようにお願い致します。
  • 線香の火は専用ライターで着けて下さい。昨年施餓鬼会の折、粗品としてお渡ししました専用ライターを墓参のたびにご持参頂きますようお願いします。ガスは充てんできますので、使い捨てにしないで下さい。
    尚、線香着火ライターはホームセンターなどに各種あります。
  • 墓前に「おはぎ」「果物」「缶ビール」などはお供えしないようお願いしております。お盆にも、団子、ナシ、リンゴなどが、ゴミかごに捨てられており、大変迷惑しております。
    果物・お菓子などは、仏壇にお供えするもので、お墓にはお供えしません。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。

編集後記

  • 「善勝寺だより」88号をお届け致します。
  • 彼岸花(曼珠沙華)がもう一部咲き始めました。最初からあって、それを元に増やしたものは、彼岸の頃咲いてくれるのですが、後から球根を購入して植えたものは早咲きのDNAがあるようです。8月末から咲き始めました。彼岸花は彼岸に一斉に咲いて貰いたいものです。
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。それには平成27年度護持費のお願いと郵便振替を同封致します。お早めに納入いただきますようお願いします。
  • また、来年年忌法要が当たっておられる家には、今年11月末に年忌法要のお知らせを郵送致します。
    尚、法事の申込は、3ヶ月前の1日から受付けております。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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