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第104号 秋彼岸号(平成30年9月10日発行)

善勝寺だより 第104号
平成30年9月10日発行
発行責任者 明見弘道
無功徳(むくどく)

善勝寺では、年忌法要や彼岸会などの法要の時、皆さまにも声を出して一緒にお経を読んで頂くようお願いしています。
「お経を読んで頂くとそれぞれ仏さまから功徳が頂かれますがその功徳を故人さまの功徳としてお回しする。それを回(え)向(こう)と云います。」などとよくお話ししていますが、功徳とは何でしょう。

「御利益(ごりやく)」と言う言葉もあります。善勝寺の観音さまの御利益は、観音さまのおなかの部分に行基菩薩作と云われている、胎内仏があるため、子授けと出産安泰などと言われています。ここの仏さまの御利益は眼病に効く、こちらの菩薩さまは縁結び、などとそれぞれ御利益が説かれています。

禅宗では「無功徳」といって功徳や御利益を強調して説く事はありません。
禅宗の開祖であります達磨大師はインドの方でありますが、中国に渡り梁の武帝との問答が伝えられています。武帝は熱心な仏教信者でした。「私は多くのお寺を建立し僧侶に供養しているが、どんな功徳があるでしょうか」達磨大師の言葉は一言「無功徳」でありました。

自分の願いや望みを叶えてもらうため神仏に頼むという人が多く、願い事が叶ったら、御利益があった、叶わなかったら、御利益が無かったとなります。このような自分本位な信心や信仰は、正しくありません。
自分の都合ばかりを考えず、この賜ったいのち、何かのお役に立つように努め、誰かのためにお役に立ってこそ、本当の御利益であり、真の功徳となります。
先月の施餓鬼法要には、多数ご参拝頂き誠にありがとうございました。尚、不行き届きのことも多々あったことと存じます。この紙面を借りてお詫び申し上げます。
檀信徒の皆様に於かれましては、さらにご自愛くださいますよう念じ申し上げます。

ご案内

秋季彼岸会

下記の如く、彼岸法要を厳修致します。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

9月23日(日曜日)
午後2時より彼岸法要
法要終了後住職の法話。
午後3時より終活相談
墓じまいの事、葬儀の事など、住職が説明した後、個別の相談にも応じます。興味ある方はご参加下さい。

*彼岸会のご供養料、塔婆料(1基 3,000円)は、本堂前机のお盆にお供え下さい。
(彼岸法要には受付を設けません。また、生花の販売はありません)
彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

東光山ミニ法話

『延命十句観音経』 第五話
円覚寺派管長 横田南嶺老師著

常楽我浄(じょうらくがじよう)

わたしたちはいつの世にあっても変わることのない思いやりの心を知り苦しみ多い中にあって
人のために尽くす楽しみを知り
この慈悲の心を持って生きることが
本当の自分であり
汚れ多き世の中で
清らかな道であると知りました。

さらに続いて「常楽我浄」です。
自分たちの思うようにゆかないもの、お釈迦樣はそれを四つ取りあげまして、「常楽我浄」という言葉で表しました。
「常」とは常に変わらないことです。いつも同じでいて欲しいと思う、それが思い込みであり、誤ったものの見方であります。
世の中は常に移り変わる、人も世界も一時たりとも同じではないのです。でも私達はいつも同じようでいて欲しいと思います。

ご年配の方にお目にかかりますと、「ちっとも変わりませんね」などと申し上げますが、あれはそうではないのです。残念ながら前にお目にかかった時よりも確実に年を取っています
ところがそれを「去年よりもお年を召されましたね」などと、そのまま真実を申し上げますと、それからお寺には来なくなってしまいます。
皆さんも「変わりませんね」とか「ちっともお年を取りませんね」「お若く見えますね」など言われましたら、ああ年を取ったのだとお思い下さい。
お若い二人が「永遠の愛を誓います」と言いますが、残念ながら、あやしいものです。世の中は「常」ではない「無常」だというのが真理です。

二人で永遠の愛を誓うなどというのもお釈迦さまの教えでは、それは思い込みに過ぎないと言われてしまいます。これから結婚をしようかという方にはお気の毒ですが、そうなのです。
次が「楽」。文字通り楽だと思いたいのです。二人で一緒になれば、楽に毎日暮らせる、毎日が楽しい、残念ながらそうはいきません。毎日は楽ではありません。
楽の反対は「苦」です。世の中は苦しみだとお釈迦さまはお説きになりました。生まれる事の苦しみ、老いる事の苦しみ、病の苦しみ、やがて死を迎える苦しみ、好きな人と別れる苦しみ、嫌な人に会う苦しみ、求めても得られない苦しみ、この体と心に感じるものは苦しみだと説かれました。
この苦しみというのは、思うようにはいかないという意味があります。生まれる事も、死ぬ事も、病になることも、年を取ることも思うようにはいかないのです。
思うようにまかせない世の中を、耐え忍んで生きる道をお釈迦さまは説かれました。
「我」と「浄」は次号に譲ります。

(続く)

施餓鬼会塔婆のことなど

今年の施餓鬼会塔婆は、1,369基の申込を頂きました。誠に有り難うございました。
1基につき6,000円納めて頂きましたが、そのうち3,000円を塔婆代として、残り3,000円は、施餓鬼会供養料として一般会計に入金致しました。
このお布施より、『難民を助ける会』に、対人地雷撤去、並びにマラリア対策のために10万円を、大震災・洪水復興のために本山を通して10万円を、日本赤十字社に対して特別社費2万円を、義援金並びに社会福祉寄付として支出致しました。以上、ご報告致します。

戒の心

施餓鬼会にお渡しいたしました、円覚寺派管長横田南嶺老師の書かれました「戒の心」読んで頂きましたでしょうか、ご家族の方みんなで読んで頂きたく思います。お読みになっておられない方のために、この本の一部をご紹介いたします。
「戒とは、もとの印度の言葉では、シーラといって、よき習慣という意味です。相手を思いやるよき習慣を身につけようというのが、戒の根本精神です。殺すな、盗むな、淫らな事をするな、嘘をつくなということも、みな人を傷つけるようなことをしないようにということです。
酒を飲むなということも、飲み過ぎたら体に良くない、血圧が上がるから飲むなというのではなくて、飲んで周りのものを不愉快にさせるようなことをしないように相手を思いやりなさいということです。

三聚浄戒(さんじゆじようかい)という三つの戒があります。悪い事をしない、良い事をする、人の為に尽くすという三つです。簡単なようでこれほど難しいこともないでしょう。お釈迦さまが説かれた、よく生きると言うことの意味は、少しでも悪い事をさける、人を傷つけることを避けて、人によくしてあげようということに尽きるかと思います。」

本山参拝団募集

本山妙心寺参拝のお知らせ。
今年度は妙心寺派北関東教区が本山団体参拝の重点教区に指定されています。宿泊所の「花園会館」優先予約枠があり、特典もありますので、皆さまと共にお参りしようという事になりました。
善勝寺からは20名の枠ですが、融通も利きますので、奮ってお申し込み下さいませ。

日時 平成30年11月5日~6日
集合 5日午後2時花園会館ロビー
解散 6日午後2時花園会館にて
会費 1人 18,000円
内容 宿泊費、5日夕食、6日朝食・昼食、本山参拝料

*現地集合現地解散です。私と寺の役員は一泊で帰りますが、折角京都まで行かれるのですから、二泊三泊とご自由に計画を立てて楽しんで頂けたらと思います。ご相談には応じます。
まずは、お問い合わせ下さい。

今更聞けないQ&A 臨済宗編

Q 数珠(念珠)の持ち方を、教えて下さい。

A まず基本は、左手に持つことです。焼香は左利きの方であっても、右手で香をつまみます。右手に数珠を持っていますと数珠の房が香炉の灰に着きそうになります。
持ち方は宗派によって異なりますが、臨済宗の場合特別な事はありません。
合掌するときも、左手に持ったままではさんで下さい。両手を数珠の輪に入れることはありません。

Q 塔婆の一番上にある○(まる)は、どんな意味がありますか。

A これは「一(いち)圓(えん)相(そう)」といって、塔婆に書くのは禅宗独特なものです。臨済宗の寺であっても、寺によっては圓相を書かないところもあります。真言宗などではここに梵字を書きます。
一圓相は、完全円満、宇宙万象の本体を表しています。すべての形象を超えていながら、すべてのはたらきを具えている姿です。仏さまそのものを表しているとでも思って下さい。
塔婆そのもののことは、施餓鬼の時受付でお渡しした、小冊子「施餓鬼会を迎えて」の5ページをご覧下さい。

編集後記

  • 「善勝寺だより」104号をお届け致します。
  • 今年も施餓鬼法要が多数の参拝者を迎え無事終えることができました。これも、暑い中、準備から後片付けまで、お骨折り頂きました役員さん、役員の奥様、そして青年部の方々には厚く御礼申し上げます。
    お疲れ様でした。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。
  • 隣のコンビニ「ローソン」では、花の販売もあります。ご利用下さい。
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。それには平成31年度護持費のお願いと、郵便振替用紙を同封致します。お早めに納入いただきますようお願いします。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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