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第107号 お盆号(令和元年6月25日発行)

善勝寺だより 第107号
令和元年6月25日発行
発行責任者 明見弘道
暑中お見舞い申し上げます。

檀信徒の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお察し申し上げます。
今年も暑い夏がやってきました。水分補給をこまめにして、熱中症にならないようお気をつけ下さい。
寒暑到来(かんじよとうらい)す如何が廻避(いかんがかいひ)せん
昔中国に洞山という和尚がおられまして、あるとき修行僧が、「こう暑さがきびしくてはやりきれませんが、この暑さから逃れる方法はありませんか」と尋ねました。
この自然の猛威からどうしたら逃れるか、と言う質問です。
すると洞山和尚は「何ぞ無寒暑の処に向かって去らざる」
どうして暑さ寒さのない処に行かないのか、とさらりといいました。
「如何(いか)なるか是れ無寒暑の処」暑さ寒さの無いところとは何処ですか、とさらに突っ込んで尋ねますと、洞山が答えました。「寒時には闍梨(じゃり)を寒殺し、熱時には闍梨を熱殺せよ」。(闍梨は僧のこと)
寒いときには「寒い」となりきり、暑いときには「暑い」となりきれ、それが寒さ暑さのないところだ、と答えらたのです。
悲しいときには泣けるだけ泣いて悲しみになりきり、楽しいときには笑えるだけ笑って楽しみになりきる。他の妄念・妄想を起こさなければ、厚い寒い、嬉しい悲しい、苦しいといった世界から逃れるというのです。

寒熱の地獄を通う茶柄杓(ちゃびしゃく)も心なければ苦しみもなし
茶柄杓は、煮えたぎっている釜に入ったり、冷たい水差しにも入りますが、茶柄杓そのものは元来無心ですから、少しも苦しいとは言いません。
私達も心を無にして外の世界にとらわれることなく、涼しく過ごしたいものです。


施餓鬼会に関しましては、別紙の案内などをご覧頂き、多数ご参拝下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。
当寺の墓地にご先祖様が眠っておられる方は、お盆の供養として塔婆一基以上お申し込み頂きますようお願い申し上げます。
法要と法要の間の一時間は、自由参拝時間となっています。
着座されない方も、まず受付を済ませ、焼香と水向けをされたうえで、塔婆をお受け取り下さいますようお願い致します。
都合で盆中にお参り出来ない方も、お塔婆をお申し込み下さい。後日、寺で各墓所にお建てして供養致します。
皆様におかれましては、時節柄ご自愛下さいますよう、お祈り申します。

明見弘道合掌

東光山ミニ法話

『延命十句観音経』
円覚寺派管長 横田南嶺老師著

朝念観世音(ちようねんかんぜおん) 暮念観世音(ぼーねんかんぜおん)

朝に観音さまを念じ夕べに観音さまを念じ

朝も夕も観音さまの心、私達の本心である仏さまの心を呼び覚まして、身近な人に親切に思いやりをもって接してゆこうということです。 
朝に夕にということは、常に念じることであります。仏法の信は、燃えさかってすぐ消えるよりも、水のようにずーっと、たえまなく継いでゆくことが大事だといわれます。「常念観世音」という言葉もございます。常に観音さまを念じることです。

昔、中国の禅僧で華林禅師という方がいました。山中にこもって暮らした方です。
ある役人が山の中に禅師を訪ねます。もう、かなりの高齢だというのに禅師はお一人のようですから、「禅師には侍者はいないのですか」とききます。
禅師は私には二人の侍者がいると答えます。どこにいますかと聞くと、禅師は「大空。小空」と呼びました。
そうすると、岩陰から二頭の虎がウォーッと声をあげて出てきました。役人がびっくりすると、禅師は、これは大事な客人だからおとなしくせよと二頭の虎に言い聞かせました。
役人は、いったい禅師はどんな修行をして、このようなお力を身につけられましたかと聞くと、私は「常念観世音」、常に観音さまを念じているとお答えになりました。
常に観音さまを念じるとは、常に観音さまのお心と一つ、常に慈悲の心でいることです。常に慈悲の心でいれば、どんな猛獣でもなつくことになるのでしょう。

この華林禅師は毎晩座禅しながら、途中座禅に疲れると山中を観音さまのお名前を唱えながら歩くという修行をされた方です。そうして常に観音さまのお心と一つになられたのです。
明治の頃東京の白山道場を開かれた南隠老師という方がおられました。
「延命十句観音経」を大事にされた方で、座禅をするのが大変な人や、ご婦人の方には「延命十句観音経」を読むことを勧められました。
白隠禅師も「延命十句観音経霊験記」
の最後に書いてありますが、「若(も)し人如法にこの経を真誦せんと欲せば一日心ひそかに斎戒沐浴し一室を鎖し、厚く座物を敷き端然正座して脊梁骨を竪(じゆ)起(き)し、真実に口には此の十句観音経を念誦し」とありますように、正身端座して丹田に力をこめて三昧に入ることです。
南隠老師は、いっぺんに、座禅公案というのは無理でも、腰を立てて、呼吸を深くして、丹田に力をこめてひたすら「延命十句観音経」を読誦し、誦み続けて三昧に入るという指導をなされていました。これが白隠禅師の教えです。

(続く)

役員会議事録より

4月21日午後5時より、当寺庫裡において『善勝寺定例総代会』を開催しました。平成30年度会計決算承認の件などを審議し、各議案とも提案通り承認されました。
以下、決議事項を報告致します。

  1. 現状報告。(住職)

  2. 墓地と駐車場拡張の件。
    故高橋進一氏の宅地と農業ハウス。
    並びに、高橋宏一氏所有の畑地を、墓地用地(大部分は墓地区域緑地)並びに駐車場とする事は、2月5日の臨時役員会で承認済みでしたが、改めて具体的な計画案を示し、承認された。

  3. 平成30年度の会計決算の件。
    収支計算書の報告。(住職)
    監事(黒巣茂氏・大賀文吉氏)による監査報告。報告の通り適正であると承認。また、剰余金は、次年度一般会計に繰り越すことを承認。
    (檀信徒の皆様には、本決算書を同封しましたのでご確認下さいますようお願いします。)

  4. 施餓鬼会に関する件。
    昨年に準じて行うことが了承され、案内に関しては住職に一任。

バス時発着刻改訂の事

今年4月1日より鴻巣市コミュニティバス「フラワー号」の発着時刻が5年ぶりに改訂されました。(時刻表はホームページにアップしてあります)
これまでは循環になっており、右回り・左回りなどとなっていましたが、「鴻巣駅」から「ふるさと館」は、『共和コース』となりました。善勝寺においでになるときは、この『共和コース』にご乗車願います。
また、春の彼岸会に新時刻表を差し上げましたが、これには日曜と年末年始のみ休日ダイヤとなっていましたが、日曜・祝日が休日ダイヤで、月曜から土曜が普通ダイヤです。また、年末年始は運休です。お詫びして訂正します。
新時刻表(鴻巣駅~善勝寺)は寺にあります。ご自由にお持ち下さい。

編集後記

  • 『善勝寺だより』お盆号(107号)をお届けします。
  • 施餓鬼会当日、例年の如く書院玄関にて墓参用生花を販売します。
    2束で1,500円の一種類です。1束売りもしますが、800円となります。
    売り切れのないよう補充しますので、是非当山でお買い求め下さい。
    尚、販売は8月13日のみです。
  • 隣の「ローソン」では、常時切り花を販売しています。こちらもご利用下さい。
  • お墓にペットボトル(ジュース・お茶)缶コーヒー・缶ビールなどをお供えするのはご遠慮ください。
    お供えされた物は自宅にお持ち帰りくださいますようお願い致します。
  • 今年の施餓鬼会施本として、酒井大岳師(曹洞宗)の『心に月を』を用意しました。お楽しみに。
  • 同封の書類は、本紙の他、施餓鬼法要のご案内(鶯色)・お盆とお施餓鬼(青色)・施餓鬼塔婆申込書(ハガキ)・ハガキの書き方(黄色)・一般会計収支決算書(白色)です。
    郵便振替用紙は同封していません。

不明なことは朝9時以降、夕方5時頃までに電話でお問い合わせ下さい。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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