本文へ移動

第37号 正月号(平成14年1月7日発行)

善勝寺だより 第37号
平成14年1月7日発行
発行責任者 明見弘道
謹んで新春のご挨拶申し上げます。
檀信徒の皆様には、お揃いで良いお年をお迎えのことと拝察申し上げます。

昨年の出来事といえば何と言っても、アメリカで起きた同時多発テロ事件のことであり、いまだに、あの映画の一シーンかと思ったビル崩壊の映像が脳裏から消えません。
事件は報復戦争となり、アフガニスタンの政権は崩壊し、アフガン国内のテロ組織も壊滅状態となりましたが、決してテロの脅威が無くなったわけではありません。報復戦争に勝利したとしても、事件を解決したことにはならないのです。政治的発言は控えたいと思いますが、今こそ『怨みに報いるに怨みを以てすれば、怨み尽きることなし』という釈尊の教えを知るべきと思います。忍耐と智慧でもって事件の根本的原因を考え、真の解決を見出すことが大切と思います。

いずれにせよ、この国の長年の内戦とこの戦争で荒れ果てた国土を復興するには長い道のりとなることでしょう。特に地雷の撤去は支援と時間が必要となります。善勝寺と致しましては、今までカンボジアを対象とした地雷撤去の支援(お盆の供養料を寄付しています)を、アフガニスタンにも対象を広げていきたいと考えています。たとえ微力ではあっても長期に続けることが大切です。今後とも皆様のご協力をお願い申し上げます。

さて、今年用意したポスターの標語は『春は厳しい冬の後に来る、幸福は苦しみに耐えて花開く。』です。瀬戸内寂聴さんが発行されている「寂庵だより」に堪え忍ぶことを説いた教典を取り上げてありましたので次ページに紹介しておきます。

最後に、檀信徒皆様のご多幸と、明るい平和な社会となりますことを祈念申し上げ年頭の挨拶と致します。

平成14年元旦 明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月21日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(火曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

年回表

壱周忌
平成13年
参回忌
平成12年
七回忌
平成8年
壱拾参回忌
平成2年
壱拾七回忌
昭和61年
弐拾参回忌
昭和55年
弐拾七回忌
昭和51年
参拾参回忌
昭和45年
参拾七回忌
昭和41年
五拾遠年忌
昭和28年
今年、年回が当っておられますお宅には、法事の知らせを同封しました。
法事の予定はお早めにお立ていただきご連絡を下さいますよう、お願い申し上げます。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その5

たとえば水の中に居て、渇を叫ぶが如くなり。

「のどが渇いた、のどが渇いた」と叫んでいるその人は、実は飲めばいくらでも渇きをいやしてくれる美しい水の真っ只中にいる。水の中にいながら、水がなくて喉が渇いたと叫んでいる。何と悲しく愚かなことではないか。

しかしこれが、我々の実状なのです。人間の現状は、こうして愚かにして悲惨な状態にある。そうでなければ、なぜこんなに世界は不幸なのですか。なぜ一方では食べ残した食物が山のように捨てられ、一方では毎日のように飢餓で人々が死んでいくのですか。なぜ人々は争い、ついには全く何の関係もない子供たちが傷つき死んでいくのですか。

人は、自分が何を求めているのか、よくわかっていないのです。自分の求めているものが、自分の内にあるということが徹底して理解されたなら、もはや争いというものは起こり得ない。争いは、自分の外に何か大切なもの、本質的なものがあるという錯覚に基づくのです。これを佛教では「妄想」といいます。

外にあるものを求める限り、人は争わねばならない。なぜなら、その外物に対して、同じように所有権を主張する人々がいるからです。互いに外物を自己のものにしようとして、人々は争い続ける。多くの罪のない人々がこれに巻き込まれる。本質的なものは外にはない。あり得ない。どうしてこれに気づかないのか。
人々が、余りにもせわし過ぎるからです。外物を追い回すのを止め、立ち止まって自己の内部を調べようとする人はほとんどいない。そのために人類全体が非常に浅薄になってきている。

いま、我々に求められているのは、我々自身の内にある、大いなる力、『いのち』そのものに気づくことです。これなしには、いかなる政治も、いかなる学問も究極的には意味のないものです。特に政治は人間の生活に直接影響を与えるゆえに、こうした内的自覚というものが絶対的に必要になります。これがなければ、いずれ人類全体が破滅することになるでしょう。

(故 盛永宗興老師の著書より)

他人が怒ったら

(佛教教典にある言葉)

神々と阿修羅の論争
A『他人の怒りを制止しなければ愚人はますます猛り怒るから、厳しく罰し、制止するのが賢者だ』
B『他人が怒ったら、気を落ち着けて、静かにしているが良い。それが愚人を制止する道だ』
A『堪え忍ぶことは良くない。堪え忍んでいると、愚人は自分を恐れていると思い、ますます増長するだろう』
B『自分を恐れていると愚者が思うなら思わせておればいい。無力な人は常に堪え忍んでいる。力のある者が力のない者に耐えるのが忍耐であり、最上の忍耐なのだ』
Aは、阿修羅の言葉で暴力と刀剣にかかわり、不和・争いである。
Bは、神々の言葉であり、暴力と刀剣を否定した平和を示したものである。

(寂庵だより 13年8月号参照)

花園会のコーナー

米寿の方はお申し出下さい

花園会員で米寿(数えの88才)をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が戴けます。但し本山に登録してある会員の方ですので、平成4年以前の檀徒、またそれ以降、当山に墓地を求めて檀徒となられた方と、その同居の家族の方に限られます。
今年は大正4年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。

バス開通のお知らせ

1月19日より循環バス『フラワー号』が走ります。
巣駅からは、『フラワー号』左回りに乗ってください。日曜以外の駅発は9時27分・10時22分 。11時から3時までは毎20分発です。北鴻巣からは右回りとなります。
下車は『善勝寺』というバス停で、料金は100円、当寺駐車場内に止まることになっています。 
日曜日はバスの本数が少なくなりますので、ご注意下さい。
詳しい時刻表は別紙にして次回同封する予定です。

葬儀の形態

ここ川里も自宅での葬儀が当たり前であったのに、「みずほ斎場」ができ、この数年でほとんど斎場での葬儀となりました。しかし一方、いまだに隣組には床堀(大役)2名が順番に指名されます。斎場での葬儀は葬儀社の方が取り仕切ることになり、隣組の出る幕が少なくなりました。今は古い形態と新しい形態がぶつかっている状態だと思います。

そこで一つの提案ですが、境地区も墓地への埋骨は葬儀の日でなく、四十九日忌の法要の時にしたらいかがでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。

【大般若礼】のこと

今年度(平成13年)護持費を納入していただいた方には『大般若札』を同封いたしました。
このお札は、正月3日間、「大般若転読祈祷」といって、仏法興隆、五穀豊穣、社会の平和、山内と檀信徒皆様の無事を祈願いたしましたところの、お札です。
このお札は玄関などに貼られるか、仏壇にお入れ下さい。また、古いお札などは寺にお持ち下さるか、郵送いただければ、お焚き上げ致します。

【護持費】のこと

「護持費納入のお願い」をお読みいただければおわかりと思いますが、菩提寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願いいたしております。(墓地の掃除代ではありません)
善勝寺檀家、当寺に墓地がある方(合同墓を除く)以外は、納入の義務はありませんが、善勝寺より戒名を授与されている方、本堂に遺骨を預けておられる方は是非納入くださいますようお願いいたしますとともに、善勝寺にご縁のある皆様、一人でも多くの方のご協力をいただきますよう、伏してお願い申し上げます。

(役員一同)

役員会議事録より

12月6日、この時期恒例となりました役員慰安と親睦を兼ね、那須ビューホテルを会場として、定例役員会が開かれました。
以下、決議事項を報告します。

  1. 現状報告。
    無縁塔移設、動物供養塔の建立工事を依頼したことなどを報告

  2. 当墓地A区拡張の件、合同船増設(工事完了)の件を承認。

  3. 墓地使用規則一部改訂の件
    A区拡張に伴う区画を同規則定めに加える。第9条に使用権返納届けに関することを追加。

  4. 平成14年度行事・事業計画。
    行事は例年に準じて行う。
    主な事業として、南側に漆喰の塀を造る、バス待合所を建てる、本堂の畳替えをすることなどを決定。

  5. 平成14年度会計予算の件
    総額7,170万円の予算書を原案通り承認(13年度同様基本財産として1,000万円の積み立てを含む)

*墓地関連収入を2,500万円見込んだ、積極的予算となっています。実際の収入が少なかった場合は、基本財産積み立てをしないことを申し合わせいたしました。

編集後記

『善勝寺だより』正月号をお届けします。今年は暮れから正月3日間穏やかな日となり、除夜の鐘そして修正会年始にと多数お出かけ頂きました。

年末30日に気づいたのですが、観音堂脇のお地蔵様に、新しい赤いフード付のよだれかけがついていました。どなたか存じませんが、大変手間のかかったことであり、ご奇特なことと感謝申し上げます。お地蔵様もこの冬、頭も耳も暖かいと喜んでおられることでしょう。こういったことが本当の布施行であるのですが、なかなかできないことです。お地蔵様だけでなく私たちの心まで温かくして頂きました。本当にありがとうございました。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
TOPへ戻る