善勝寺だより 第38号
平成14年3月12日発行
発行責任者 明見弘道
平成14年3月12日発行
発行責任者 明見弘道
すっかり春めいて、境内の木々の芽も日ごとにふくらんでまいりました。
檀信徒の皆さまにおかれましては、益々御清祥のこと拝察申し上げます。
さて、今年の春で私が善勝寺に来て満10年となります。本堂の落慶法要と私の晋山式、昨日のことのようにも思いますし、とっくの昔のようでもあり複雑な思いがしております。
の間檀信徒の皆さまには大変お世話になり、絶大なるご協力をいただきました。おかげを持ちまして檀信徒も増え、檀徒は273軒、檀信徒総数は600軒(通信不要を除く)ほどになりました。また、この間書院(客殿)建設を始め本堂内陣拡張、墓地用地・駐車場用地の取得など、境内の整備も進んでまいりました。
今年は南側の塀を建設する予定ですが、これが完成しますと、さらに寺の景観がよくなるものと思われます。こういった事業がスムーズにできますのも役員さんをはじめ檀信徒皆さまのご理解とご協力があってのことと感謝いたしております。
10年一区切りと申しますが、初心に立ち返り、次の10年を悔いのないよう精進いたす所存です。どうか皆さまにも、これまで同様善勝寺の檀信徒として、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
今回、本堂落慶10周年を記念して、当寺の指定石材店であります、鎌田石材店さんの協力を得て、墓地の特別公募を致すこととなりました。期間は春彼岸より6月末日までとし、この間は、当寺入檀金30万円のところ、縁者規定を全員に適用し、15万円と致します。さらに墓石建立工事費は、まとまった発注を見込み特別価格(普通区画60万円台より)にて提供していただきます。
現在本堂内にご遺骨を預けておられる方など、当寺墓地取得を検討されておられる方、また、現在墓標で今後墓石を建立する予定の方は、是非この機会に契約していただきますようご案内申し上げます。
檀信徒の皆さまにおかれましては、益々御清祥のこと拝察申し上げます。
さて、今年の春で私が善勝寺に来て満10年となります。本堂の落慶法要と私の晋山式、昨日のことのようにも思いますし、とっくの昔のようでもあり複雑な思いがしております。
の間檀信徒の皆さまには大変お世話になり、絶大なるご協力をいただきました。おかげを持ちまして檀信徒も増え、檀徒は273軒、檀信徒総数は600軒(通信不要を除く)ほどになりました。また、この間書院(客殿)建設を始め本堂内陣拡張、墓地用地・駐車場用地の取得など、境内の整備も進んでまいりました。
今年は南側の塀を建設する予定ですが、これが完成しますと、さらに寺の景観がよくなるものと思われます。こういった事業がスムーズにできますのも役員さんをはじめ檀信徒皆さまのご理解とご協力があってのことと感謝いたしております。
10年一区切りと申しますが、初心に立ち返り、次の10年を悔いのないよう精進いたす所存です。どうか皆さまにも、これまで同様善勝寺の檀信徒として、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
今回、本堂落慶10周年を記念して、当寺の指定石材店であります、鎌田石材店さんの協力を得て、墓地の特別公募を致すこととなりました。期間は春彼岸より6月末日までとし、この間は、当寺入檀金30万円のところ、縁者規定を全員に適用し、15万円と致します。さらに墓石建立工事費は、まとまった発注を見込み特別価格(普通区画60万円台より)にて提供していただきます。
現在本堂内にご遺骨を預けておられる方など、当寺墓地取得を検討されておられる方、また、現在墓標で今後墓石を建立する予定の方は、是非この機会に契約していただきますようご案内申し上げます。
明見弘道合掌
春季彼岸会ご案内
下記の如く彼岸法要を行います。多数ご参拝賜りますよう、謹んでご案内申し上げます。
記
◇春季彼岸法要◇
3月21日 午後2時より
引き続き 法話・茶礼
塔婆をお建てになられる方は、お墓参りなさるときまでに準備致しますのでお早めに、FAXまたはお電話にて、ご連絡いただきますようお願い申し上げます。
3月21日 午後2時より
引き続き 法話・茶礼
塔婆をお建てになられる方は、お墓参りなさるときまでに準備致しますのでお早めに、FAXまたはお電話にて、ご連絡いただきますようお願い申し上げます。
東光山ミニ法話
『白隠禅師座禅和讃』その6
長者の家の子となりて、貧里に迷うに異ならず。
これは『法華経』の中に出てくる譬え話によるものです。
簡単にその説明をしますと、昔、インドに一人の長者があって、晩年授かった一人息子をだいじに育てておりましたが、ある日この子が行方をくらまかしてしまいます。門から迷い出てそのまま帰って来なかったのです。長者は必死になって何年も子供の行方を捜しましたが、どうしても探し当てることができませんでした。
ところがある日、門口に一人の若い乞食が物乞いにやってきたのです。姿、形は変わっていても、長者にはすぐにそれが自分の息子であるとわかりました。しかし、長年乞食をしていたらしい子供に、いきなり長者が「おまえは俺の子供だ」といっても、理解できず、ビックリして逃げ出すだろう。そう思った長者は、まず自分の家の下働きをさせ、だんだんと仕事の範囲を引き上げていって、最後には自分の財産をその若者に切り盛りさせました。
そして、立派にやってのけられるようになったとき、長者は王侯貴族を呼び集めて、パーティーを開き、その席上で、「実は、この支配人が、子供のころ行方を見失ったむすこです。これを跡継ぎにします」と宣言したのです。
ざっとこれが『法華経』に説かれる「長者窮子」というたとえ話です。
長者とは「仏」のことです。仏の家に生まれ、仏の〈いのち〉を受け継いでおりながら、小さなときに外に遊びに出て迷子になった息子。自分が仏の子であることを完全に忘れてしまった息子。そして、長年の乞食生活の中で、乞食の習慣、乞食の考え方、乞食の発想の仕方が身に染みついてしまった息子。これは私たちの姿を現しています。
私たちは、自分たちが、本来仏であることを忘れてから、どれほどの時がたったことでしょう。我々はその間、乞食のように生きてきたのではないか。今でも、私たちは乞食のように生きているのではないか。外面的にはなに不自由なく、あるいは金持ちでさえあるかも知れないが、精神的には、その心の深奥では、依然として乞食ではないのか。
簡単にその説明をしますと、昔、インドに一人の長者があって、晩年授かった一人息子をだいじに育てておりましたが、ある日この子が行方をくらまかしてしまいます。門から迷い出てそのまま帰って来なかったのです。長者は必死になって何年も子供の行方を捜しましたが、どうしても探し当てることができませんでした。
ところがある日、門口に一人の若い乞食が物乞いにやってきたのです。姿、形は変わっていても、長者にはすぐにそれが自分の息子であるとわかりました。しかし、長年乞食をしていたらしい子供に、いきなり長者が「おまえは俺の子供だ」といっても、理解できず、ビックリして逃げ出すだろう。そう思った長者は、まず自分の家の下働きをさせ、だんだんと仕事の範囲を引き上げていって、最後には自分の財産をその若者に切り盛りさせました。
そして、立派にやってのけられるようになったとき、長者は王侯貴族を呼び集めて、パーティーを開き、その席上で、「実は、この支配人が、子供のころ行方を見失ったむすこです。これを跡継ぎにします」と宣言したのです。
ざっとこれが『法華経』に説かれる「長者窮子」というたとえ話です。
長者とは「仏」のことです。仏の家に生まれ、仏の〈いのち〉を受け継いでおりながら、小さなときに外に遊びに出て迷子になった息子。自分が仏の子であることを完全に忘れてしまった息子。そして、長年の乞食生活の中で、乞食の習慣、乞食の考え方、乞食の発想の仕方が身に染みついてしまった息子。これは私たちの姿を現しています。
私たちは、自分たちが、本来仏であることを忘れてから、どれほどの時がたったことでしょう。我々はその間、乞食のように生きてきたのではないか。今でも、私たちは乞食のように生きているのではないか。外面的にはなに不自由なく、あるいは金持ちでさえあるかも知れないが、精神的には、その心の深奥では、依然として乞食ではないのか。
心が乞食とは、前号で述べた氷の状態になっていることを意味します。「自分はこんなものだ」という思い込み、それが乞食になっていることです。
心が乞食になってしまって、「自分は駄目な奴だ」と思いこんでいる人々に、いきなり、「あなたは仏様だ」といったら、「何を人を小馬鹿にしたことをいうんだ」と、離れていってしまうでしょう。そこで、「おまえは私の子だ」というのを控え、段階を追って乞食の青年を徐々に育て上げていった。
これがいわゆる「方便」ですが、仏教の実践の場でいえば、さまざまな手段、方法を用いて、修行を行うことを意味します。そして、最後にパーティーを開いて、自分の息子を披露したのは、長年の修行の機縁が熟して、ついに大きな自覚に到達する瞬間を表現しています。
心が乞食になってしまって、「自分は駄目な奴だ」と思いこんでいる人々に、いきなり、「あなたは仏様だ」といったら、「何を人を小馬鹿にしたことをいうんだ」と、離れていってしまうでしょう。そこで、「おまえは私の子だ」というのを控え、段階を追って乞食の青年を徐々に育て上げていった。
これがいわゆる「方便」ですが、仏教の実践の場でいえば、さまざまな手段、方法を用いて、修行を行うことを意味します。そして、最後にパーティーを開いて、自分の息子を披露したのは、長年の修行の機縁が熟して、ついに大きな自覚に到達する瞬間を表現しています。
(故 盛永宗興老師の著書より)
境内の話題
無縁塔移転工事が始まりました。
以前にもご案内いたしましたが、南側塀の工事をするに当たり、支障ができましたので、門を入ってすぐ左にありました無縁塔は歴代住職の墓の西側に移転すべく、工事を始めました。
縁塔には日々多くの方にお参りいただいております。今後は少し足をのばしていただくこととなりますが、今後とも線香を手向けていただきますようお願い申し上げます。
無縁塔に納骨されています関係者の方々には、追ってご通知申しますが、新しい無縁塔は、これまでのような骨壺での収納ではなく、土中に合祀することとなります。今後改葬することができなくなりますとを再確認いたしたいと思います。
以前にもご案内いたしましたが、南側塀の工事をするに当たり、支障ができましたので、門を入ってすぐ左にありました無縁塔は歴代住職の墓の西側に移転すべく、工事を始めました。
縁塔には日々多くの方にお参りいただいております。今後は少し足をのばしていただくこととなりますが、今後とも線香を手向けていただきますようお願い申し上げます。
無縁塔に納骨されています関係者の方々には、追ってご通知申しますが、新しい無縁塔は、これまでのような骨壺での収納ではなく、土中に合祀することとなります。今後改葬することができなくなりますとを再確認いたしたいと思います。
動物供養塔も併設
皆さまからの要望もあり、動物供養塔を無縁塔脇に建立いたします。
ペットも家族同然と考える方が多くなりました。動物であってもその死後供養することは、癒しにつながります。
檀信徒の方を対象に考えていますが、火葬されたペットのお骨であれば、収蔵できます。納骨料などの規定はありません。供養のため塔婆(4尺、2千円)を建てていただければと思います。
ペットも家族同然と考える方が多くなりました。動物であってもその死後供養することは、癒しにつながります。
檀信徒の方を対象に考えていますが、火葬されたペットのお骨であれば、収蔵できます。納骨料などの規定はありません。供養のため塔婆(4尺、2千円)を建てていただければと思います。
護持費納入有り難うございました
平成14年度分護持費の納入をお願いいたしましたところ、早速にお納め頂きまして有り難うございました。また、地元役員さんには大変ご足労おかけいたしました感謝申し上げます。
規定により当寺一般会計に入れ、花園会会費を含む本山への納付金、火災保険、檀信徒の皆様への通信費などに充当いたします。
尚、当寺に墓地(合同墓地を除く)を取得されておられる檀徒の方で護持費未納の方には再度郵便振替を同封いたしました。3月末日までには納入下さいますようお願いいたします。
直接現金でお寺にお持ちくださる方もありますが、事務処理の都合上できるだけ郵便振替にて納付いただきますようお願いいたします。
規定により当寺一般会計に入れ、花園会会費を含む本山への納付金、火災保険、檀信徒の皆様への通信費などに充当いたします。
尚、当寺に墓地(合同墓地を除く)を取得されておられる檀徒の方で護持費未納の方には再度郵便振替を同封いたしました。3月末日までには納入下さいますようお願いいたします。
直接現金でお寺にお持ちくださる方もありますが、事務処理の都合上できるだけ郵便振替にて納付いただきますようお願いいたします。
会計 関根安正
一口メモ
のし袋のこと
お寺に包んで出すのし袋は何でも不祝儀ようの白黒の水引がついたものと思っておられる方があるようです。
今年の正月も、年賀に赤白に混じって白黒の封がいくつかありました。
法事のお布施も正しくは白黒の水引のないものを用います。すでに『お布施』と書かれた市販の封もありますが、半紙(正式は奉書といって厚手の和紙)などに包んで『お布施』と書き、その下に施主名を記入するのが通例です。
お布施を御霊前・ご仏前と書かれたのし袋に入れるのは避けていただきたいものです。
今年の正月も、年賀に赤白に混じって白黒の封がいくつかありました。
法事のお布施も正しくは白黒の水引のないものを用います。すでに『お布施』と書かれた市販の封もありますが、半紙(正式は奉書といって厚手の和紙)などに包んで『お布施』と書き、その下に施主名を記入するのが通例です。
お布施を御霊前・ご仏前と書かれたのし袋に入れるのは避けていただきたいものです。
新聞記事より
わが子を亡くしたとき 生の「あかし」を求め
赤ちゃんの死は理不尽な出来事であるため周囲の人は「なかったことにする」傾向がある。しかし親にとって子は、いつまでもかけがえのない家族の一員。その存在を周囲が認め、記憶しておくことで、残された家族は新たな次の一歩を踏み出せる。
赤ちゃんを亡くしたある母親は、「病院で亡くなると、覚えていてくれる人が少ない。だから『忘れません』という先生の言葉がとてもうれしいんです。娘は姿は見えなくても今も生きています」と目を潤ませる。
赤ちゃんを亡くしたある母親は、「病院で亡くなると、覚えていてくれる人が少ない。だから『忘れません』という先生の言葉がとてもうれしいんです。娘は姿は見えなくても今も生きています」と目を潤ませる。
慰めにならない言葉
「早く忘れた方がいい」「まだ若いから次の子をつくれば」「あなたより不幸な人はたくさんいる」「こんなことに負けないで頑張って」
生きていた証となる物
へその緒、母子手帳、写真(妊娠中の超音波写真なども)、カルテ、足首やベッドに付いていた名札、着ていた服、手形・足形。
「いつまでも気にかけてくださる方の気持ちを思うと、私も曲がっては生きられないな、って思うんです」
「いつまでも気にかけてくださる方の気持ちを思うと、私も曲がっては生きられないな、って思うんです」
編集後記
先日パソコンの調子がおかしくなりました。いつもサポートしていただく方に相談したら、何とか動くうちにデーターだけ取りだし、買ったときと同じ状態に戻した方がよいというのです。
これって人間の頭も同じだなと思いました。
人間の頭も優れたコンピューターですが、機械と同じで狭い範囲で同じことばかりに頭を使っていると、偏った考えになり、つい同じ反応をしてしまうそうです。ストレス解消といいますか、発想を転換するためにも、たまには息抜きをして、クリーンアップやデフラグ(最適化)する必要があります。
ある和尚さんが、パソコンのデフラグを知って、「これってコンピューターが座禅しているようなもんだな」といいましたが、言い得て妙でした。
アッそれで、うちのパソコンも調子よく動いています。
これって人間の頭も同じだなと思いました。
人間の頭も優れたコンピューターですが、機械と同じで狭い範囲で同じことばかりに頭を使っていると、偏った考えになり、つい同じ反応をしてしまうそうです。ストレス解消といいますか、発想を転換するためにも、たまには息抜きをして、クリーンアップやデフラグ(最適化)する必要があります。
ある和尚さんが、パソコンのデフラグを知って、「これってコンピューターが座禅しているようなもんだな」といいましたが、言い得て妙でした。
アッそれで、うちのパソコンも調子よく動いています。