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第45号 正月号(平成16年1月6日発行)

善勝寺だより 第45号
平成16年1月6日発行
発行責任者 明見弘道
謹んで新春のご挨拶申し上げます。
檀信徒の皆様には、良いお年をお迎えのこととお察し申し上げます。
さて、今年ご用意致しました標語ポスターは『おはよう、この一言で楽しい一日が始まる』です。「新年明けましておめでとう」、この一言で今年は始まります。『言葉は大切なものです』ということは前回に述べました通り、私たちの生活の基本です。

ところが最近挨拶もできない人が多くなりました。法事で来られても、こちらが座って『今日はようこそ』といっても、コートは来たまま、立ったまま、ろくに挨拶もできません。法事の後席で食事をした後、寝転がっていたり、暴れ回って床の間の掛け軸に触っている子供にも注意する親がいません。行儀の悪いこと、とにかくムチャクチャです。とにかくというのは、「兎に角」と書いてウサギに角が生えているぐらい、とんでもないこと。ムチャクチャは「無茶苦茶」と言って、単なる当て字ではなく茶道の心得がないことを言います。茶道と禅は、鎌倉時代以降文化人の必須科目でした。日本人として本来持っていた、美しい心構えはどこへ行ったのでしょうか。日本の世界に誇るべき尊い文化を再認識致すべきと思います。

そのためには、まず挨拶です。どうってことないように思われることかもしれませんが、挨拶は偉大なエネルギーを持っています。
『おはよう、この一言で楽しい一日が始まる』この標語ポスターはお寺にあります。是非各家に掲げて頂きたく存じます。

最後になりましたが、檀信徒皆様のご多幸と、明るい平和な社会となりますことをご祈念申し上げ年頭の挨拶と致します。

平成16年元旦 明見弘道合掌

今年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月20日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(金曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

年回表

壱周忌
平成15年
参回忌
平成14年
七回忌
平成10年
壱拾参回忌
平成4年
壱拾七回忌
昭和63年
弐拾参回忌
昭和57年
弐拾七回忌
昭和53年
参拾参回忌
昭和47年
参拾七回忌
昭和43年
五拾遠年忌
昭和30年
今年、年回が当たっておられますお宅には、法事の知らせを同封しました。
法事の予定はお早めにお立ていただき、予約はFAXやメールでなく電話でご連絡下さいますよう、お願い申し上げます。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その13

布施や持戒の諸波羅蜜、 念仏懺悔修行等、 其品多き諸善行、

今回は、ようやく六波羅密の最後、禅定・智慧のところに進みます。

『禅定』という言葉には「定」という字が付いていますから、何か一定の状態で定まっているように考えられるかも知れませんが、実は常にフレッシュに、驚きと喜びと感激をもって、一つ一つの物事に対して、見事に転換しつつ、対応して行く力が持続するという意味です。赤ん坊や小さな子供は、今腹を立てて泣いていても、次の瞬間、嬉しいことがあれば、ニコッと笑うことができる。常に一瞬一瞬、出会うものに対して、新鮮に驚きと喜びをもって対応しています。だから彼らは、いつもあんなに活き活きとしていることができる。それが私たちの本来の心であったはずです。

人間本来備わっていたこういう能力が、常に保たれていることを「定まっている」というのです。腹を立てたことがずっと続く、落ち込んだところがずっと続く、という意味での「定まる」ではありません。

鏡と写真フィルムとにたとえてみれば、よく解ります。鏡はどの方角に向け変えても物事をすべて受け入れて、新鮮にハッキリと写し出します。これは自らの本質を変えず、そのまま写し出すという力が定まって、続いているからです。
これに比べて写真フィルムは一つの情景を写した瞬間、自分の本質を変えてしまっています。そのフィルムで別なものを写すと、二重写し三重写しになってしまいます。
私たちの心は鏡のように常に新鮮であったはずです。それがいつの間にか、物心ついて以来の悪い習慣のために、まるでフィルムのようになってしまっています。腹を立てたというフィルムの上に次の出来事を写しますから、まさに二重写しとなります。さらに次の出来事に接すれば、二重写しの心、つまりさまざまの感情によって汚染されたフィルムでそれを写し出しますから、今度は三重写しとなり、物事が明快であろうはずがありません。

明るく澄んだ鏡の状態が『禅定』としますと、こうした汚物にまみれ、輝きを失ってしまったフィルムの状態は『昏散』と呼ばれます。

「禅」というのは梵語の「ジャーナ」の音訳であり、「定」は意味内容です。音訳と意訳を一緒にして「禅定」という言葉は作られていますが、私たちが生まれながらにして持っている、素晴らしい感性・知性というものが、常に持続してゆく状態を『禅定』といっているのであり、そこから働き出す力を『智慧』と言います。人の言ったことや書いたことを、覚えているのが智慧ではありません。鏡のような裸の心から、常に新鮮な感激と喜びを持って、湧き出してくる言葉や行動、反応、それが真の『智慧』です。

先入観と知識とでごった煮になった頭の中で、「昏散」を繰り返しているような人から出てくる発想や発言、行動は、まさに「愚か」であり、「智慧」の正反対のもの、それが「愚痴」です。

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。今年は大正6年生まれの方、明治38年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。

ご親化受戒会の報告

昨年10月29日、小川町圓光寺に管長様をお迎えして、授戒会があり当寺からは20名の方が参加されました。
齋藤弘様・齋藤吉雄様・若月御夫妻より当日の感激を記した感想文を頂きお礼申し上げます。紙面の関係で掲載できないのが残念ですが、今後のため大切に保管致したく存じます。

12月9日には第12回「わかる仏教講演会」が、講師にひろさちやさんを迎えて開催されました。クレア鴻巣大ホール2階席まで埋まる大盛況でした。

『お釈迦様の物差し』という演題で、ご縁によってこの世界が成り立っているのであり、「どうにも成らないことは、どうでも良いことだと、そのまま受け入れることが仏の道」と力説され、「学校での成績が悪い子供も、障害のある子供も、仏様から預かった子でありお母さんは100点満点を付けてあげるべきでしょう。ウマが合わない姑さんも飲んだくれの亭主も、喧嘩しながらでもこんなもんかと受け入れるしかないですね。刺激のある生活の方が長生きできますよ」など、笑いの渦の中、アッという間の90分でした。

【大般若札】のこと

同封いたしましたお札は、大般若転読祈祷といって、正月3日間、仏法興隆、五穀豊穣、社会の平和、山内と檀信徒皆様の無事を祈願いたしましたおふだです。 玄関に貼られるか、仏壇の中に入れて下さい。

役員会議事録より

12月2日と3日、湯西川温泉「花と華」を会場として、定例役員会を開催しました。以下決議内容を報告します。

  1. 現状報告。山門・観音堂などの工事代金の支払いに関すること。
    今年度入檀者数などの報告を了承。

  2. 当墓地E区D区に特別区を増設する件。34区画増設を承認。

  3. 施餓鬼会に関すること。
    会費制は導入しないが、案内状の文面は工夫を要する。文面は住職に一任。初盆の方を優先して本堂内でお参りしてもらい、外のテント内にも焼香台を設ける。一時間程度で終わるように、式次第を変えることなどを決定。

  4. 「善勝寺だより」や行事案内などの寺からの通信は護持費納入者に限定することを決定。(法要の依頼には、納 入・未納の区別無く執行致します)

  5. 駐車場用地確保のため、土地購入費用を予算に計上することを承認。

  6. 平成16年度行事・事業計画の件。行事は例年に準じて行う。事業計画は特になし。

  7. 平成16年度会計予算の件。
    総額7,000万円余の予算書を原案通り承認(基本財産積み立て金は1,000万)

  8. その他。青壮年部の活動内容の件。施餓鬼会の駐車場係の他、除草剤・殺虫剤散布などにも協力してもらう。
    住職夫人の肩書きは事務局長とし、役員会などに出席し、意見を述べることができることとする。

以上、各項目が決議されました。

【護持費】のこと

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願いいたしております。
同封の「護持費納入のお願い」をお読みいただき善勝寺にご縁のある皆様、一人でも多くの方より納入いただきますようお願い申し上げます。

上記役員会議事録にありますように、寺からの通信は護持費納入者に限ることとなりました。今までも、当寺に法要を依頼されているほとんどの方が、護持費を納入されていますが、霊園などに墓地がある方は、任意でありますので当然護持費を納めていない方もあります。これまでは未納者であっても『善勝寺だより』と共に行事案内等を郵送しておりましたが、公平をきすため、平成16年度より(6月末発行のお盆号から)護持費納入者に限らせて戴きます。どうかご了承戴き、ご協力賜りますよう、お願い致します。

編集後記

  • 『善勝寺だより』正月号をお届けします。年末年始穏やかな日が続いています。大晦日も風もなく暖かでしたので、除夜の鐘も、多くの方においで頂きました。観音堂にストーブを入れ、和気会々で盛り上がり、最後の手締めをしたのは2時でした。年始用の酒まで飲み干し修正会の前にコンビニにお酒を買いに行く始末。
  • 寺からの通信は護持費納入者に限ることになりましたが、法要の依頼はできますので誤解のないように願います。
  • 役員会のことですが、毎回活発な討議がされ、住職や事務局側の提案が否決されたり、修正となることは多々あります。これは大変良いことで、役員会が正常に機能している証拠でもあります。また住職の体を気遣ってくださる役員の勧めで、2月には人間ドッグを受けることとなりました。
  • 次号は、3月彼岸前に発行の予定です。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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