本文へ移動

第48号 秋彼岸号(平成16年9月13日発行)

善勝寺だより 第48号
平成16年9月13日発行
発行責任者 明見弘道
お盆が終わると日も短くなり、季節は一変して秋です。もうすでに秋の収穫も始まりました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。今年の夏は特に暑かったのですが、疲れは残っていませんか。

さて、先月の施餓鬼会には、多数お参りいただきありがとうございました。今年から4座制にしたのですが、思ったよりスムーズに無事終えることができました。お参り頂いた方からも今年の施餓鬼は良かったという声が多く聞かれホッとしているところです。
これも寺役員並びに青壮年部の方々、そして役員さんの奥様がたの協力のたまものであり、深く感謝申し上げる次第です。
来年からも一部区域割の変更などはあろうかと思いますが、ほぼ今年と同じ形態で施餓鬼会を行う予定でありますので、宜しくご了承願います。

ところで、施餓鬼当日受付でお渡ししました、赤坂『とらや』の羊羹とお茶は、おいしく召し上がって頂けましたでしょうか。仏様にお供えした後、少量になっても家族みんなで分けて頂くと、おいしいものがよりおいしくなります。

恒例にしています供養料の一部を寄付する件ですが、今年の内訳は、『難民を助ける会』に、対人地雷撤去のため6万円と、マラリア予防のための蚊帳20帳分、4万円。『ユニセフ』に5万円、『日本赤十字新潟支部』に災害義捐金として5万円、『佛教情報センター』に特別会費として、5万円。地元ヘリオス会病院の森田院長先生が理事長になっておられるNPO法人『アンナプルナヘルスプロジェクト』に2万円、『フォスタープラン協会』に3万円、合計30万円。と致しました。以上謹んでご報告致します。また、本年施餓鬼会の決算は別記しました。

弘道合掌

ご案内

秋季彼岸会

恒例の彼岸法要を左記の如く行います。多数お参り下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

9月23日 午後2時より
法要の後、法話・茶礼

※塔婆を建てられる方は前もって、電話またはファックスでお申し込み下さい。
秋分の日をはさんで七日間を彼岸といいます。お墓参りやお寺参りをして故人をしのびます。
先祖を尊ぶと同時に、私たち自身が完成された人間(彼岸)に一歩でも近づくように、わずかな日数ではあっても行をする週間でもあります。忙しい社会で、心を亡いがちではありますが、ゆとりを持って自分を見つめ直す一週間にしたいものです。
寺やお墓には、皆様のご都合のよい日、いつお参りされてもよいのですが、日程が合えば、お中日二時からの彼岸法要にお参り下さり、共にご読経いただければ幸甚です。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その16

一座の功をなす人も、積みし無量の罪ほろぶ、
悪趣いずくに有りぬべき、浄土即ち遠からず。

たとえひとときの座禅でもこれを実践するならば、過去に積み重ねた計り知れない罪は消えて無くなる。
迷いと苦しみの世界などどこにありえよう、安らぎの世界は、いまや遠い世界ではない。
(西村恵信師訳)

施餓鬼会での法話に、通願と別願の話をしましたが、人生の目的は人格を完成させることであり、これを通願と言います。オリンピックで金メダルを取りたい、学者になってノーベル賞をもらいたい、女優になりたい、国会議員になりたい、これらは別願と言います。別願は人生の究極の目的ではありません。病気や怪我でオリンピックに出場できなくなることも当然あります。別願だけで通願を忘れた人ならそのことだけで人生が終わってしまいかねません。

譬えガンの宣告を受けても、また終身刑を処せられても、病院や拘置所を唯一の道場として通願である人格の完成を目指して真剣に取り組んでいる人もいます。
問題は、人生の目的が人格の完成にあることは分かっても、われわれ凡人にそれができるかどうか、と言うことです。
キリストは、「赤子のような心にならなければ天国に入れない」と言っていますし。
一休さんは「生まれ子がしだいしだいに知恵づきて、仏にとおくなるぞ悲しき」とうたっています。

赤ん坊の無心は、全く天使であり、そのまま仏であります。誰しもあった自性清浄心と言われる、無心に帰ることが禅の悟りであり人生の目的だと言うことになります。
なかには、長年座禅をしても悟れない人がいっぱいいるのだから、足の痛さをこらえて座禅したぶん損だ、と考える人もいます。

そこで禅では、「一寸座れば一寸の仏」「一日座れば一日の仏」「一生座れば一生の仏」といわれ、凡夫のままで、迷いのままで、救われる教えです。
人格を完成させる唯一の方法が座禅というわけではありませんが、阿弥陀仏を念じて「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで一切の悪業が消滅して浄土へお参りできると信じられるのであるなら、一座の座禅をして成仏できると信じられないことはないでしょう。

いやむしろ科学を基盤として生活する現代人には、南無阿弥陀仏と唱えれば極楽往生できると言うよりも、一座の座禅をすれば直ちに人間性の真実にふれて救われるのだと言う方が、よほど納得がゆくのではないでしょうか。
人間性の真実が仏であると分かったら、そこには悪趣、つまり地獄・餓鬼・畜生・修羅と言われる世界はことごとく消え失せ、この現実の世界が、このまま浄土となるのであります。
(つづく)

善勝寺では座禅会をしないのですかという意見も聞かれるのですが、定期的な座禅会をするには至っていません。
しかし今後は法要のつど五分間位い静かに座るという、一座の功を積んで頂くようにしたいと考えています。

施餓鬼法要の決算

〈収入〉8月末現在
供養料(盆供)208万7千円。塔婆料(760基)228万円。

〈支出〉(端数切り捨て)
供菓供茶、25万。粗品代、30万。印刷代、10万。寺院謝儀、15万。手伝いお礼、5万。墓地・庭清掃など、10万。下足棚・看板等、20万。エアコン整備の一割、30万。塔婆・仏花・手伝い衆弁当など、35万。合計およそ180万余円でした。尚、供養料の平均は一施主当たり5千円でした。

また、寄付金30万円の内訳は前述の通りです。
以上ご報告致します。 会計

施餓鬼会に関してのお願い

いまだに塔婆料などが未納の方が数人ありますが、会計事務に支障がありますので、来年から当日欠席の方は、法要当日までに、塔婆代と供養料を納入頂くようお願い致します。

また、逆に当日お参りされているのに、塔婆料などを振り込みされた方がありますが、施餓鬼当日お参りされる方は、受付にてお支払い下さい。当日の受付にて、供菓・供茶・粗品(1500円相当)お渡し致しております。

受付の名簿は、この善勝寺だよりを発送の施主名です。代理の方がお参りされる場合もその氏名をお書き下さい。

ゴミ処理に関するお願い

8月16日お寺のゴミ箱はお盆のお供え物でいっぱいになります。一日に何度も焼却していますが次々にゴミがあふれる次第です。それはご先祖様をお送りされると共に、お盆中のお供えである鬼灯、キュウリ、真菰、果物、お菓子、団子など全部お連れ下さるからです。
仏様の乗り物であるウシ(ナス)をお墓に置かれるのは判るのですが、その他のものは、仏様をお送りされた後、線香の上で『の』の字を3回書くように燻じて頂き、各地域の行政の指示に従い各家で処理してください。

花園会のコーナー

9月11日と12日 本山に於いて

『全国花園会青壮年部結成大会』が開催されました。北関東教区を代表して、善勝寺の青壮年部5名が参加致しました。当寺の青壮年部は昨年自主的に結成されたのですが、全国の多くの部員方々と交流することにより、さらに青壮年部結成の意義を認識して頂き、今後いっそうの活躍を期待致す次第です。

境内の話題

8月7日夕方、寺前の野本さん宅に落雷があり、寺のテレビ、トイレの換気扇、パソコンに接続するスプリッタなどが修理不能となりました。
幸い寺も野本さん宅も建物には被害がなかったのですが、雷の恐ろしさを目の当たりにして、本堂と庫裡には避雷針を付けることにしました。

年末年始の行事

次号の『善勝寺だより正月号』は、1月4日過ぎ「大般若祈祷札」を同封して、お届けすることになりますので、ちょっと早いのですが、あらかじめ年末年始の行事をお知らせしておきます。

除夜(ジョヤ)

大晦日 午後11時半から除夜の鐘をつき始めます。108つき終わるのは零時半頃になります。ゆく年の無事を感謝しつつ、来る年の平穏を祈って、心を込めてついて下さい。
振る舞い酒もあります、ご家族で多数お越し下さいませ。

修正会(シュウショウエ)と年始

正月元旦~3日 午前10時より修正会大般若祈祷を行います。
善勝寺に古くから伝わる大般若六百巻を転読し、仏法の興隆、五穀豊穣、山門並びに檀信徒各家の無事を祈る行事です。
この祈祷終了の後、書院にて年始の挨拶と致します。(午前中のみ)
一年の計は元旦にあると言います。3日間の内、ご都合の良い日に、是非ご家族お揃いでお参り下さい。
注《午後には書院での接待はありません》

編集後記

先日車の運転中にラジオを聞いておりましたら、歌舞伎・狂言・スポーツ選手の呼吸のことを話題にした番組がありました。その中で、僧侶と一緒にお経を読むと、流れるプールでみんな一緒に泳いでいるようで、とても気持ちが良いと言うことを話しており、喩えが非常におもしろいのでつい笑ってしまいました。

今年の施餓鬼は一座200名揃っての読経が4回続いたのですが、ざわつくことは一度もなく、私自身4座とも気持ちよくお勤めできました。
これからも、一つの気を共有して、流れるプールでみんな一著に泳いでいる気持ちで読経したいと思います。

ミニ法話の所でも書きましたが、寺の法要、また年忌法要の時などには、できるだけ座禅(椅子に座ったまま姿勢を正して呼吸を整える)を取り入れたいと考えております。
みんなで気持ちよく雲に乗っているような雰囲気になればよいのですが。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
TOPへ戻る