善勝寺だより 第55号
平成18年7月1日発行
発行責任者 明見弘道
平成18年7月1日発行
発行責任者 明見弘道
暑中お見舞い申し上げます。
檀信徒の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお察し申し上げます。
お寺の境内も、先般来庭師さんによって手入れされ、のびていた生け垣や、混み合っていたモミジなどの木々がサッパリ整いました。雀の声を聞きながら雨に濡れた庭を眺めていますと時の経つこともすっかり忘れてしまいます。
ひと月ほど前のことですが、仏教情報センターの総会の折り、「葬儀をとりまく現状」とのタイトルで講演会がありました。
講師は第一生命経済研究所主任研究員の小谷みどり女史。お墓や葬儀に関する本を多く執筆されている方です。 少子高齢化時代を迎え、変化しつつある葬儀の形態、寺院・僧侶の在り方など、現状と今後の課題を勉強致しました。
そんななかで、二・三あまり増えてほしくないが、実際多くなりつつあるという例を紹介したいと思います。
直葬、チョクソウと言うのですが、通夜・葬儀をしないで直接火葬することを言います。なかには親の葬儀なのに気持ち悪いと言って、納棺も火葬も業者任せ、お骨になって戻ってくるのを自宅で待っている人(60才前後の男性)もいるそうです。
手元供養、お骨を位牌の中やペンダントにして手元に置くことを手元供養と呼んでいるそうですが、どういう訳か昔と異って、お骨になると気持ち悪くないようです。
あの世離婚、せめてあの世では………、夫と同じ墓に入りたがらない妻。
せめて善勝寺の檀信徒の皆様にはこのようなお考えをなされませぬよう祈っています。
また、「迷惑かけたくないので、お墓を作らないで散骨をしてくれ」と遺言され、その通りにしたのですが、毎年船をチャーターして散骨場所に行く人もあり、何が迷惑なのか考えなくてはなりません。ドラマではかっこよく絵になる散骨のラストシーンですが、残された者にとっては供養のスタートでもあります。
私たちは皆、多くの人と関わり合って生きています、肉体的な死を迎えたとしても、この関わりが即解消されるわけではありません、関わり合った人々にいつまでも影響を持ち続けるのですから。
檀信徒の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお察し申し上げます。
お寺の境内も、先般来庭師さんによって手入れされ、のびていた生け垣や、混み合っていたモミジなどの木々がサッパリ整いました。雀の声を聞きながら雨に濡れた庭を眺めていますと時の経つこともすっかり忘れてしまいます。
ひと月ほど前のことですが、仏教情報センターの総会の折り、「葬儀をとりまく現状」とのタイトルで講演会がありました。
講師は第一生命経済研究所主任研究員の小谷みどり女史。お墓や葬儀に関する本を多く執筆されている方です。 少子高齢化時代を迎え、変化しつつある葬儀の形態、寺院・僧侶の在り方など、現状と今後の課題を勉強致しました。
そんななかで、二・三あまり増えてほしくないが、実際多くなりつつあるという例を紹介したいと思います。
直葬、チョクソウと言うのですが、通夜・葬儀をしないで直接火葬することを言います。なかには親の葬儀なのに気持ち悪いと言って、納棺も火葬も業者任せ、お骨になって戻ってくるのを自宅で待っている人(60才前後の男性)もいるそうです。
手元供養、お骨を位牌の中やペンダントにして手元に置くことを手元供養と呼んでいるそうですが、どういう訳か昔と異って、お骨になると気持ち悪くないようです。
あの世離婚、せめてあの世では………、夫と同じ墓に入りたがらない妻。
せめて善勝寺の檀信徒の皆様にはこのようなお考えをなされませぬよう祈っています。
また、「迷惑かけたくないので、お墓を作らないで散骨をしてくれ」と遺言され、その通りにしたのですが、毎年船をチャーターして散骨場所に行く人もあり、何が迷惑なのか考えなくてはなりません。ドラマではかっこよく絵になる散骨のラストシーンですが、残された者にとっては供養のスタートでもあります。
私たちは皆、多くの人と関わり合って生きています、肉体的な死を迎えたとしても、この関わりが即解消されるわけではありません、関わり合った人々にいつまでも影響を持ち続けるのですから。
明見弘道合掌
別紙案内の如く、『山門大施餓鬼法要』を8月13日(日)厳修致します。
同封の書類をよくご覧の上、お申し込み頂き、多数御参拝下さいますようご案内申し上げます。
尚、合併に伴い地域による区分けが、去年と一部違うところがありますのでご注意下さい。
また、初盆の方はその御位牌をご持参いただければ、中卓にお祀りしてご供養致します。
同封の書類をよくご覧の上、お申し込み頂き、多数御参拝下さいますようご案内申し上げます。
尚、合併に伴い地域による区分けが、去年と一部違うところがありますのでご注意下さい。
また、初盆の方はその御位牌をご持参いただければ、中卓にお祀りしてご供養致します。
東光山ミニ法話
『白隠禅師座禅和讃』その23
三昧無礙の空ひろく、
四智円明の月さえん。
四智円明の月さえん。
心が静かに落ち着いて、何のこだわりもない広々とした大空に、佛の四つの智慧(大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智)をことごとく具現したような名月が冴えわたるであろう。(西村恵信師訳)
前回、三昧無礙まででしたので、今回は四智円明のところを解説します。
善勝寺では、塔婆の最初に圓相(マル)を書き四文字の熟語、次に為を書いて戒名を書いています。四文字の熟語にこの四智、大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智という言葉をよく書きますので、ご存じの方もあろうかと思いますが、仏様の智慧を四つに分けてこのように言います。
第1の智慧、知識以前、経験以前の純粋な心、鏡のように清浄無垢な心、これを仏教では大円鏡智といいます。大きい円い鏡のような智慧であります。といっても心が円いとか鏡のように光っているものだとか言うのではなく、鏡のようなと形容されるだけで、もとより形があるものではありません。
人間の本心というもの、生まれたままの心というものは、誰にでも平等に円満にそなわったものであるから、偉い人だから特別ふくらんだところがあるでなし、愚か者だからといって格別へこんだところがあるのではないのです。生まれ出てからの経験と知識にはそれぞれ差別がありますが、生まれたままの心はすべての人が全く平等であり、人格は平等に尊厳だと言われるのもこのことです。
古来より人間の本性を鏡にたとえられます。ものが映ったと言って鏡の中に生じたものはないし、ものが去ったからと言って滅したものはない、汚いものが映ったからと言って鏡は汚れることはない。般若心経に不生不滅、不垢不淨、不増不減とあるのは人間の本心を言ったものです。またこの清浄無垢な本心を法身佛と呼びます。
第2の智慧は、平等性智といいます。自分と他との区別がなく、山も川も森羅万象自己ならざるはないと自覚し、我の個体も、他人の個体も、何らの区別なく、平等に眺められる高い智慧を平等性智といい、前段の法身佛にたいし報身佛と言います。
第3の智慧は、妙観察智、第4の智慧は、成所作智といいます。
禪で、分別するなとよく言われますが、これは妄想執着を離れよと言うことであり、私たち人間は分別を捨てて生活をすることはできません。知識と経験を離れては生きられないのであります。科学的・論理的・哲学的な知性もなくてはなりません。
そこで、対象について十分に観察する智慧、それが妙観察智であります。その上で、望むがままに自由自在にはたらく智慧、成すべきことを成し遂げる智慧、これ成所作智と言います。
佛菩薩はこの智慧をもって相手の心情と環境を微細に観察し、自由自在に救済の手をさし伸べ、衆生済度をなさるのであります。
この2つの智慧は、化身佛・応身佛の働きをする、大切な智慧であります。
この4つの智慧がすべて備わっていることを四智円明といい、これを月にたとえ、四智円明の月さえんと、白隠禅師はうたわれたのであります。
前回、三昧無礙まででしたので、今回は四智円明のところを解説します。
善勝寺では、塔婆の最初に圓相(マル)を書き四文字の熟語、次に為を書いて戒名を書いています。四文字の熟語にこの四智、大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智という言葉をよく書きますので、ご存じの方もあろうかと思いますが、仏様の智慧を四つに分けてこのように言います。
第1の智慧、知識以前、経験以前の純粋な心、鏡のように清浄無垢な心、これを仏教では大円鏡智といいます。大きい円い鏡のような智慧であります。といっても心が円いとか鏡のように光っているものだとか言うのではなく、鏡のようなと形容されるだけで、もとより形があるものではありません。
人間の本心というもの、生まれたままの心というものは、誰にでも平等に円満にそなわったものであるから、偉い人だから特別ふくらんだところがあるでなし、愚か者だからといって格別へこんだところがあるのではないのです。生まれ出てからの経験と知識にはそれぞれ差別がありますが、生まれたままの心はすべての人が全く平等であり、人格は平等に尊厳だと言われるのもこのことです。
古来より人間の本性を鏡にたとえられます。ものが映ったと言って鏡の中に生じたものはないし、ものが去ったからと言って滅したものはない、汚いものが映ったからと言って鏡は汚れることはない。般若心経に不生不滅、不垢不淨、不増不減とあるのは人間の本心を言ったものです。またこの清浄無垢な本心を法身佛と呼びます。
第2の智慧は、平等性智といいます。自分と他との区別がなく、山も川も森羅万象自己ならざるはないと自覚し、我の個体も、他人の個体も、何らの区別なく、平等に眺められる高い智慧を平等性智といい、前段の法身佛にたいし報身佛と言います。
第3の智慧は、妙観察智、第4の智慧は、成所作智といいます。
禪で、分別するなとよく言われますが、これは妄想執着を離れよと言うことであり、私たち人間は分別を捨てて生活をすることはできません。知識と経験を離れては生きられないのであります。科学的・論理的・哲学的な知性もなくてはなりません。
そこで、対象について十分に観察する智慧、それが妙観察智であります。その上で、望むがままに自由自在にはたらく智慧、成すべきことを成し遂げる智慧、これ成所作智と言います。
佛菩薩はこの智慧をもって相手の心情と環境を微細に観察し、自由自在に救済の手をさし伸べ、衆生済度をなさるのであります。
この2つの智慧は、化身佛・応身佛の働きをする、大切な智慧であります。
この4つの智慧がすべて備わっていることを四智円明といい、これを月にたとえ、四智円明の月さえんと、白隠禅師はうたわれたのであります。
(故山田無文老師の著書など参考)
法身佛、根本の真実そのものが仏であることを示す。
報身佛、完成した人格としての仏(ブッダ)すなわち悟った者を示す。
化身佛・応身佛、衆生を教化救済しようとして、仏が変現して衆生の姿となったものを言う
報身佛、完成した人格としての仏(ブッダ)すなわち悟った者を示す。
化身佛・応身佛、衆生を教化救済しようとして、仏が変現して衆生の姿となったものを言う
役員会議事録より
4月26日、『善勝寺定例役員会』が召集され、全役員の出席を得て、平成17年度事業報告、一般会計決算の承認などが議案として審議されました。
以下、決議事項を報告致します。
以下、決議事項を報告致します。
- 事業報告、会計報告。
駐車場用地、墓地用地取得など主な 支出項目を説明した上、平成17年度の会計決算は、報告の通り適正であると承認。剰余金は18年度会計に繰り越すことが承認されました。
(檀信徒の皆様には、本決算書を同封しました。また、施餓鬼法要の時、会計報告を行います) - イ、正月に全檀信徒に配布していた、『大般若祈祷札』は修正会に参拝、並びに年始に来山された方のみに渡すこととする。
ロ、法事の申し込みは、3ヶ月前の1日から予約を受けつけることとする。
以上2件は住職の考えを了承。 - 役員辞任願いに関すること。
代表役員と責任役員で後任人事などを検討し、再度臨時役員会にて審議することを決定。
その他、駐車場内の駐輪場を通学のため高校生が常時使用していることに関して問題点等意見交換した。
5月13日『臨時役員会議』における決議事項。
- 松村進氏、高橋栄一氏の役員辞任願いを受理。松村氏には顧問に就任、欠員となった責任役員には小川浩氏が就任、関根安正氏が筆頭責任役員となり、会計は岩間和夫氏が担当。
また、当面役員の補充はしないことを決定し、青壮年部のメンバーに協力を要請することを申し合わせした。 - 墓地使用規則第4条ロ項、および東光山合同船納骨規定第5項に「またそれぞれの祥月命日には、朝課の時戒名を唱えて回向します」の文言を加筆することが承認された。
善勝寺の施餓鬼法要(法要の意義)
善勝寺では、8月13日に施餓鬼法要を行っており、ちょうど迎え盆の日でもありますので、お盆の供養も含めた意味で施餓鬼法要にお参り頂いております。
そこで法要の意義ですが、私達がこうして存在するのも、父母を始め多くの先祖様から命のバトンタッチがなされてきたからであります。我が家のため、子孫のためにと、苦労に苦労を重ねてこられたそれぞれのご先祖様に感謝の誠を捧げることは当然のことです。
また、社会環境や、自然環境などの悪化で、私達の命が脅かされるわけですから、自分さえ良ければいいという(餓鬼の心)誤った考えを排除し、全ての生命(衆生)を尊び、お互いに助け合い(自他一如)、大自然の分身が自分であることを知り、地球全体のことを考える(人境一如)。これが盆供養並びに施餓鬼法要の精神です。
当寺ではこの精神にのっとり、施餓鬼会の供養料の一部を、難民を助ける会、ユニセフ、災害地の赤十字社などに寄付致しています。
特に、カンボジア・アフガニスタンなどの地雷撤去のための費用として、またマラリア予防のための蚊帳を「難民を助ける会」を通して十数年継続して寄付しています。供養料は定めていませんが、今年も皆様の暖かいお志(布施行)をお納めいただきますようお願い致します。
また、社会環境や、自然環境などの悪化で、私達の命が脅かされるわけですから、自分さえ良ければいいという(餓鬼の心)誤った考えを排除し、全ての生命(衆生)を尊び、お互いに助け合い(自他一如)、大自然の分身が自分であることを知り、地球全体のことを考える(人境一如)。これが盆供養並びに施餓鬼法要の精神です。
当寺ではこの精神にのっとり、施餓鬼会の供養料の一部を、難民を助ける会、ユニセフ、災害地の赤十字社などに寄付致しています。
特に、カンボジア・アフガニスタンなどの地雷撤去のための費用として、またマラリア予防のための蚊帳を「難民を助ける会」を通して十数年継続して寄付しています。供養料は定めていませんが、今年も皆様の暖かいお志(布施行)をお納めいただきますようお願い致します。
お願い
緊急の場合を除いて、寺への電話連絡は朝9時以降、夕方は5時頃までに。
また、お盆・施餓鬼会のお問い合わせは、同封の案内をよくご覧の上で解らない点をお尋ね下さいますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
また、お盆・施餓鬼会のお問い合わせは、同封の案内をよくご覧の上で解らない点をお尋ね下さいますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
編集後記
- 『善勝寺だより』お盆号(55号)をお届けします。
- 長年当寺役員としてお骨折り下さいました、松村・高橋両氏が高齢のため辞任されました。お二人とも温厚な方で和を重んじ、役員の意見を集約していただきました。本当に有難うございました。また、今後ともご指導ご鞭撻下さいますよう宜しくお願い申し上げます。
- さて、お施餓鬼のことですが、今年受付にてお渡しするものは、供茶、供菓と粗品としての線香着火用ライターです、墓参用線香は含まれていません。ご持参いただくか、当寺にてお買い求め下さい。
- また、墓参の時はいつも線香着火用ライターをご持参いただき、各お墓の前でご使用いただきますようお願い致します。新聞紙などを燃やして、線香に火を着けることは、お慎み下さい。
- 尚、同封の書類は、本書の他、
1.施餓鬼法要のご案内(鶯色)
2.お盆とお施餓鬼(青色)
3.施餓鬼塔婆申込書(ハガキ)
4.ハガキの書き方(記入例)
5.収支決算書(当寺一般会計)
です。是非ご一読願います。