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第60号 秋彼岸号(平成19年9月12日発行)

善勝寺だより 第60号
平成19年9月12日発行
発行責任者 明見弘道
今年の夏は猛暑と言われる、35度を超える日が熊谷市で20日あったそうです。また、熊谷と岐阜県多治見の気象台で40.9度という観測史上日本一の暑さを記録しました。
これは、気象台の芝生の上にある百葉箱での観測ですので、実際はこのあたりでも42・3度になっていたのではないかと思われます。
当寺境内の木々の内、西日が当たるところにある「夏椿(シャラ)」や「どうだんツツジ」「龍のひげ」などが暑さのため葉が焼け、瀕死の状態になっています。
皆様にはいかがお過ごしでしょうか、少し涼しくなった今頃夏の疲れがでて、体調を崩すことがあります、お気を付け下さいませ。

さて、先月の施餓鬼会には、多数お参りいただき、誠にありがとうございました。13日お参りされた方はおよそ千人位と思われます。
今年も多くの参拝者を迎え、特に混乱なく、無事終わることができホッと致しております。
前日の準備から片づけに至るまでご協力いただきました、寺役員並びに青壮年部の方、そして当日お手伝いいただいた役員の奥様方々のおかげであります。暑い中本当に有難うございました。この場を借り御礼申し上げます。

今年から、施餓鬼塔婆料を供養料・盆供を含め、一基6千円とさせていただきましたので、一軒当たりの塔婆の本数が大幅に減るのではないかとの観測もありましたが、昨年と大差ない、850基程お建ていただきました。また、墓参用生花も好評で、370束の売り上げがありました。来年も、是非お買い求め下さいますようお願い致します。生花の売上収益金と、供養料から、中越沖地震の義捐金や対人地雷撤去支援などとして、合計28万円(内訳は後述)を寄付致しましたことを、ご報告致します。

文末となりましたが、檀信徒の皆様方におかれましては、ご自愛のほど、謹んでお祈り申し上げます。

明見弘道合掌

『ご案内』秋季彼岸会

左記の如く、彼岸法要を厳修致します、多数ご参拝下さいますようご案内申し上げます。

9月23日 午後2時より 法要の後、法話・茶礼

秋分の日をはさんで7日間を彼岸といいます。お墓参りやお寺参りをして故人を偲びます。
寺やお墓には、皆様のご都合のよい日、いつお参りされてもよいのですが、日程が合えば、お中日2時からの彼岸法要にお参り下さり、共にご読経いただければ幸甚です。
*塔婆を建てられる方は前もって、電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。なお、そのさい、施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

次に、彼岸会には、受付はありません。塔婆料(一基3千円)・お供えなどは、施主氏名をお書きの上、焼香の時、前机にある黒いお盆にお載せください。

東光山ミニ法話

『般若心経』その4

舎利子 色不異空 空不異色

最初に書きましたが、ある時、シャーリプトラ(舎利子・舎利弗)さんが、「もし立派な若者が、智慧の完成を実践したいというなら、どのように学べばいいと答えてあげたらよいでしょうか」と世尊(お釈迦様)に尋ねました。
その時、世尊は禅定に入っておられたので、そばにおられた観自在菩薩(観音様)が代わってお話しされました。
その内容が、この般若心経なのです。『舎利子』は、一般に読まれている般若心経に2回でてきますが、「シャーリプトラさん、もし立派な若者が、智慧の完成を実践したいというなら、このように学べばいいと答えてあげて下さい。」と言った意味になります。
この舎利弗さんは、釈迦十大弟子の一人で、智慧第一と言われる賢い人であります。お釈迦様と出会う前、16歳の時には、すでに250人の弟子があったと言われます。釈迦十大子のなかで神通第一と言われた目連尊者さんも、250人の弟子を持つ宗教家でしたが、舎利弗と共に弟子を引き連れ、お釈迦様の弟子に加わりました。
そのきっかけとなるエピソードがあります。

舎利弗さんがインドのナーランダという町にいたときのこと、道の向こうから、とても穏やかで、喜びに満ちた顔をし、着ている物も清楚で、キョロキョロしないで地面を見て真っ直ぐに歩いている比丘(お坊さん)と出会いました。舎利弗さんは、この一人のお坊さんの姿を一目見るなり、すっかり感動し、「あなたはどなたのお弟子さんですか。いったいどんな修行をしたらあなたのような静かな、そういう穏やかな喜びに満ちた姿になれるのですか」と尋ねました。「私は釈迦牟尼の弟子で馬勝といいます」。舎利弗さんは、このときまだ釈迦牟尼の名前を知りませんから、「釈迦牟尼とは、いったいどういう方ですか」とかさねて尋ねると、馬勝さんは、お釈迦様のことと、その教えを話しました。
『この世の中の森羅万象は、縁起という法によって現れているのであり(因縁生起)、絶えず変化しており(諸行無常)、固定的に実在する物は何もない(諸法無我)』と。

これを聞いた舎利弗さんは、非常に驚きました。それはそのはず、インドでは、創造の神様がこの世を創り、持続の神様、破壊の神様によってこの世が支配されているといった教えが一般的でしたので、この世は神様が創ったのではない、因縁の法によってこのこの世界はできている、という教えを初めて聞いたのです。

「自我に執着するから、争いの心が生じ、嫉妬の心が生まれる。平和を乱す元は皆この自我があるからだ。罪を作ればその罪に執着し、裁かれる自己に執着し、神の前に出ても裁かれる自我を持っている。そこに人間の救われない悩みがある。しかし、自我というものはないものだと徹底すれば、この比丘のような、穏やかな、和やかな気持ちになれるのだ。
こう悟った舎利弗さんは、友人の目連尊者さんにも勧め、それぞれ250人の弟子を連れて、お釈迦様の弟子に加わったのです。お釈迦様がお悟りを開かれて、2年目と伝えられています。
肉体を含むあらゆる物質『色』は、実体として存在する物は何一つなく、縁に従って現れたり、滅したりしている『空』。『色は空に異ならず』。
また、あらゆる現象は自性がない。『空』だから何もないというのではなく、『空』だからこそ、目という感覚器官を通して、『色』として認識されるのです。『空は色に異ならず』は、そのことを言います。

〈つづく〉

寄付金の内訳

恒例にしています施餓鬼会供養料の一部を寄付する件ですが、今年は生花販売の収益金と合わせ、28万円を寄付させていただきました。
その内訳は、中越沖地震の義捐金として、『日本赤十字社新潟県支部』に対し5万円。
『難民を助ける会』に、対人地雷撤去のための支援金として5万円。
『フォスタープラン協会』にインドの貧しい子供を救うために6万円。
『日本ユニセフ協会』に4万円。
『佛教情報センター』に特別会費として、5万円。
地元ヘリオス会病院の森田院長先生が理事長になっておられるNPO法人『アンナプルナヘルスプロジェクト』に、年会費として、1万円。
また、今年度より『日本赤十字社埼玉県支部』に特別社資2万円を「鴻巣市赤十字奉仕団」を通じて納めることとしました。

以上謹んでご報告致します。

尚、来年の施餓鬼会にも、墓参用の生花を販売致します。是非当寺にてお買い求め下さいますよう、お願い致します。『奪い合えば足りない、分かち合えば足りる』という施餓鬼会の趣旨に沿って、収益金を寄付致す所存です。

年忌法要に関すること

来年に年忌法要が当たっておられる家には、今年11月下旬にお知らせを郵送致します。法事の申し込みは、3ヶ月前の1日から受け付けております。
例えば、来年1月に法要を予定されているのであれば、何日であっても、今年の10月1日から予約できます。
尚、法要の控え室は、お斎をともなう場合をのぞき、法要後は使用できません。従って着替えなどできませんので、あらかじめご了承下さいませ。
また、地図、交通に関しては、施主さんの責任において、参列者に対して、ご案内下さいますようお願い致します。

仏教講演会のご案内

第14回『わかる仏教講演会』

日時  来る12月6日 午後2時より
場所 クレア鴻巣(免許センターの前)
講師  養老孟司先生
解剖学者 東大名誉教授 大正大学客員教授
おもな著書
「養老孟司のデジタル昆虫図鑑」「からだの見方」「脳のシワ」「毒にも薬にもなる話」「バカの壁」「死の壁」 など多数

この『わかる仏教講演会』は、鴻巣市仏教会の主催で、鴻巣地区仏教研究会が共催して、二年に一度開かれています。
毎回、わかりやすくてためになったと好評です。友人知人お誘い合わせの上、多数ご来場下さいますようご案内申し上げます。
入場は無料ですが、入場整理券が必要です。整理券は善勝寺に多数ありますので、お彼岸などにご来山の折、お持ち帰り下さい。

占い師の言葉を鵜呑みにしないで!

仏教情報センターから、仏教ライフという新聞、彼岸号が届きました。
この情報センターは、関東の若手といわれる各宗派の僧侶が中心となり、宗教に関する悩み相談を電話でお答えする、ボランティアの集団です。
テレフォン相談は、土曜日曜祝日以外の10時から4時まで受け付けています。(03-3811-7470)

そこにある人からの質問です。
Q テレビを見ていたら、ある占い師が「お墓参りの時、水をかけてはいけない」と言っていました。本当でしょうか?
情報センターの相談員の答えです。
A 墓参の時、手桶の水をヒシャクでお墓にかける光景は一般的なことで、その方がどういう理由でそのようなことを言っているのかわかりません。

水をかけることは、清めるという意味、水を供養する、などという意味があります。仏に供える水のことを、インドの古い言葉でアーガ(閼伽)と言い、インド古来から水をかける習慣があります。たっぷりおかけ下さい。

テレビの影響は大きいと思いますが、情報を鵜呑みにしないで、ある程度吟味すると良いでしょう。

編集後記

  • 善勝寺だより60号をお届け致します。年4回の発行ですので、まる15年続いているわけです。じっくり校正もしないまま発送し、誤字・脱字が頻繁でお恥ずかしい次第でありますが、引き続きご愛読いただきますようお願い申し上げます。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売はないのかとの問い合わせがありましたが、当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。
  • 今年から正月号を年内に発送しようと思っています。
    そこに年末年始の行事案内を掲載致しますが、除夜・年始に多数ご来山頂きますよう、お待ち申し上げております。

(弘)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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