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第61号 年末号(平成19年12月20日発行)

善勝寺だより 第61号
平成19年12月20日発行
発行責任者 明見弘道
今年も余すところあとわずかとなりましたが、檀信徒の皆様には、如何お過ごしでしょうか。

これまでこの『善勝寺だより』正月号は、年明け7日頃発行していましたが、今回から、年内にお届けすることに致しました。
他の冊子などは、12月に届いても、年頭の挨拶が載せられていますが、私はどうも抵抗があります。そこで「正月号」ではなく、「年末号」と言うことで作成しお届け致します。

今年を振り返ってみますと内外には様々な出来事が起きました。新聞には今年の十大ニュースなどが発表されていますが、善勝寺での出来事を振り返ってみます。まず何と言っても、裕っさんこと金井和尚が加担下さることになったことです。法要の出頭とともに、庭や墓地の掃除、塔婆書き等まじめに勤めていただいて本当に良いご縁を頂いたと感謝しております。

次に、挙げられるのは、駐車場用地の購入ができ、墓地拡張計画の最終案が決議され、来春の申請に向けての準備が整ったこと。また太陽光発電を設置したこと、鐘楼の屋根替えも、今年のニュースです。

最後に、寺族には悲しい出来事が起こりました。15年間飼っていたビーグル犬「点心」が死んだことです。食いしん坊の点心が食べなくなり、動物病院に診てもらったところ、老衰で腎臓の機能が衰えているとのことでした。延命治療はしないで家で看取ることにしたのですが、12月8日早朝(お釈迦様がこの日の明けの明星を見てお悟りを開かれたと伝えられています)最後にウオーンと鳴いて息を引き取りました。近所の方を始め多くの方にかわいがってもらい、また私たちに多くの癒しを与えてくれた点心でした。
この後、初代の寺の犬「観心」も眠っている、当寺の動物供養塔に埋骨します。

文末となりましたが、今年の皆様方のご厚情に感謝しつつ、来年も、檀信徒皆様にとって、良いお年でありますよう、心より祈念申し上げます。(年末・年始のことは、後述致しますので是非お読み下さい)

明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月20日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(水曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

平成20年正当年回表

壱周忌
平成19年
参回忌
平成18年
七回忌
平成14年
壱拾参回忌
平成8年
壱拾七回忌
平成4年
弐拾参回忌
昭和61年
弐拾七回忌
昭和57年
参拾参回忌
昭和51年
参拾七回忌
昭和47年
五拾遠年忌
昭和34年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予定はお早めにお立ていただき、予約はFAXやメールでなく電話でご連絡下さいますよう、お願い申し上げます。

東光山ミニ法話

『般若心経』その5

色即是空 空即是色

般若心経の前半は、宗教というより科学と思って下さい。先日、養老孟司先生(解剖学者)の講演では、「脳のはたらきと心」のことをお話しいただいたわけですが、般若心経の前半は、まさにそのことを説いています。研究の進んだ最新の医学や科学で明らかになったこと、明らかにされつつあることと、2千年も前に書かれた仏教の経典の内容に矛盾がないことは驚きです。

養老先生も講演で話されていましたが、五境は五官(感)を通して脳に伝達され意識(心)を作用し体を動かす。などというのは、今まで述べた般若心経の内容そのものです。意識という言葉もこの後、「無意識界」と出てきます。
体を徹底的に解剖しても個々の人格などというものはありません、そうかといって全くなにもないのではなく、細胞が集まって体を構成すると、脳の働きによって意識が生まれ、記憶することもできます。

色はそのまま空であり、空はそのまま色である。色は物質的なもの全てを表し、私たちで言うなら肉体です。
科学者である、柳澤桂子さんの「心訳般若心経」では、
形あるもの いいかえれば物質的存在を 私たちは現象としてとらえているのですが 現象というものは 時々刻々変化するものであって 変化しない実体というものはありません 実体がないからこそ 形をつくれるのです 実体がなくて 変化するからこそ 物質であることができるのです
と「色即是空 空即是色」の箇所をこのような詩にされておられます。

また、養老先生の話になりますが、「教育の場、職場などで、個性を発揮する、自我を確立する、アイデンティティー、パーソナリティーと言ったものを強調しますが、そんなものは何処にもありません。それを求めなくてはいけないと思わされて、悩みや苦しみが起こっているのです。

キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の元にある聖書には、神がこの世を創造したという、始まりが書かれたため、終わりも書かざるを得なくなり、最後の審判というものが書かれました。死んだもの全て生き返って神の前で審判を受けるのですが、もし私(養老先生)がアルツハイマーにかかって死んだとします。その後に生き返えされて、おまえは何をしたかと神に聞かれても、晩年の自分が生き返ったら、覚えていませんと言わざるを得ません、(笑い)若いときの自分が生き返ったらそれから死ぬまでなにをするかわからないのです。一生通して『これ』というものはないのです。そこで仏教では何と言ってると思いますか、『空』です。」
(以上は明見の記憶によるものです)

玄侑宗久師の『現代語訳般若心経』には、「我も空である」ということは、当然のことですが「我」には固定的実体がないということです。今で云うアイデンティティーとかパーソナリティーなど、仏教は認めないのです。
知らないうちに私たちは意識できる以上に変化しつづけているのでしょう。
それが生きているということでもあります。だから固定的な自己というのは、仏教的にはどう考えてもナンセンスということなのです。

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
平成20年は、大正10年生まれの方、明治42年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。

事務局からのお知らせとお願い

平成20年度護持費納入の件よろしくお願い致します。
この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。
同封の「護持費納入のお願い」をお読みいただき善勝寺にご縁のある皆様、一人でも多くの方より納入いただきますようお願い申し上げます。
毎年、振替用紙をなくしたので送ってほしいという方があります。納入期限は、3月末日となっていますが、まだ先だと思わないで、早めにお振り込み頂ければ有り難いのですが……。

護持費納入に関すること その2

19年度の護持費から共和地区の方も役員による集金ではなく郵便振替で納入していただくことになりました。
郵便局に行くより寺の方が近いので寺で受け取ってほしいとの意見もありますが、事務整理の都合上郵便振替のみとさせていただいております。
ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
郵便局へ行くのが難しい方は、同封の振替用紙に住所と名前を書いて、ご近所で当寺の檀家になっておられる方に頼まれては如何でしょうか。尚、振り替え手数料はかかりません。

役員会議事録より

12月12日と13日、江ノ島「岩本楼」を会場として、主に次年度事業と予算の審議を行うための『定例役員会』並びに研修会を開催しました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告
    今年度入檀者数、11月末までの収支に関することなど現状を報告。

  2. 平成20年度行事・事業計画
    イ、行事は例年の如く
    ロ、庫裡(事務所兼用)の建設
    ハ、墓地拡張計画に沿っての工事

  3. 平成20年度一般会計予算案を原案通り承認。
    庫裡の建設にあたり、基本財産である定期預金2千万円を解約し一般会計に入れ、今年度の剰余金と合わせ4千万円を建築費に、什器備品に5百万円を計上してあります。予算の合計は1億2千462万円となりました。
    特別会計はありません。

以上
13日はあいにくの雨模様でしたが、鎌倉に行き、円覚寺塔頭続燈庵住職(平林寺での修行の同期生)の案内のもと、建長寺・東慶寺・円覚寺に参拝致しました。特に東慶寺では、一般には公開していない、とても美しい『水月観音菩薩』を拝むことができました。

ご案内 除夜の鐘と修正会

毎年恒例になっていますが、『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。撞き方のコツですが、強く打つのではなく、軽く引いて撞木の重さでそっと撞く方がいい音になります。また、二度撞きにならないよう、撞いた後も紐は離さないで下さい。観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意があります。

正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品を差し上げています。3日間の内都合のよい日、午前10時までにお参り下さいませ。

尚、書院での接待は致しておりません。

バス乗り場が移動しました

鴻巣駅東口の再開発が完成し、フラワー号のバス乗り場が移動しました。善勝寺方面は、東口・ロータリー内のバスターミナル4番で、左回りにご乗車下さい。時刻表の変更はありません。

編集後記

  • 『善勝寺だより』年末号をお届けします。
  • 12月6日「わかる仏教講演会」には、「養老孟司先生」の知名度もあり、クレア鴻巣大ホール3階席までいっぱいの聴衆で埋まりました。善勝寺檀信徒も多数お出かけいただき、お陰をもちまして盛況裏に終えることができました。御礼申し上げます。
  • 巻頭にも書きましたが、外回りの掃除は裕っさんがほとんど一人でしてくれ、犬の散歩までしなくなり、体を使うことが少なくなってしまいました。来年は、自転車に乗ったり、テニスをもっと頻繁にして、運動不足を解消しなくてはと思っています。
  • 次号『善勝寺だより』は、3月彼岸前に発行する予定です。来年もご愛読いただきますようお願い申し上げます。
  • では、良いお年をお迎え下さいませ。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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