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第63号 お盆号(平成20年7月3日発行)

善勝寺だより 第63号
平成20年7月3日発行
発行責任者 明見弘道
暑中お見舞い申し上げます。
檀信徒の皆様におかれましては、益々ご清福のこととお慶び申し上げます。

5月30日の読売新聞朝刊に、日本人の宗教観をテーマとした調査結果が掲載されました。
これによりますと、「何か宗教を信じていますか」の問いに対して、信じている、26パーセント。信じていないが72パーセント。という結果でした。これだけを見ると日本人で信仰心をもっている人は3割に満たないのかと思いがちですが、そうではありません。

「先祖を敬う気持ちをもっていますか」との問いに対して、94パーセントの人がもっていると答えて、盆や彼岸などにお墓参りをするが、78パーセント。「自然の中に人間の力を越えた何かを感じることがありますか」の問いに対して6割近い人があると答えています。

この調査結果に対して、宗教学者である山折哲雄先生は、日本人の信仰は多くの神々を信じる多神教だ。日本の豊かな自然は人間をその懐に包み込んで、神や仏といった人間を越えた存在を感じさせる力を持っている。日本人は、唯一絶対的な神を信じる一神教を求める必要はなかった。多神教が「感ずる宗教」だとすれば、一神教は「信ずる宗教」だと言える。
日本人の宗教は、先祖崇拝を抜きにして論ずることはできない。先祖とは人間の力を越えたものの一つであり、その気配を自然の中で感じることが大切なのだ。と山折先生はコメントされております。
宗教を信じていないと答えた7割のうち大部分の方は信仰心のある方であり、宗教を信じると云うことは唯一絶対の神を信じる、つまり一神教を信じることだと思いこんでいるのだと考えられます。

さて、お盆も、近づいてまいりました。先祖様の魂を感じ、我が家で先祖様と共に過ごし、家族が一つになる大切な行事であります。昨年と同じ文章ではありますが、お盆と施餓鬼のいわれ。また、施餓鬼会の案内など同封致しました。家族皆様でお読みいただきたき、家族そろってお盆をお迎え下さいますようお願い致します。

文末になりましたが、時節柄ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

明見弘道合掌
別紙案内の如く、『山門大施餓鬼法要』を8月13日(水)厳修致します。
同封の書類をよくご覧の上、お申し込み頂き、多数御参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

尚、昨年より施餓鬼会塔婆料は、供養料を含めて、一基につき6千円です。また、参拝人数を平均するため地域による区分けのことですが、去年と一部違うところがありますのでご注意下さい。

東光山ミニ法話

『般若心経』その7

是故空中
無色 無受想行識
無眼耳鼻舌身意
無色声香味触法
無眼界乃至無意識界

これまで、世に存在する物質的なものは「空」(実体がない)であり、「空」というものは物質的な形として展開するのだ、ということを説いたのですが、さらに、その空の境地を極めていったところの様子を述べています。

空中には(実体がないという立場においては)物質的な形(色)も、感受作用(受)も表象作用(想)も形成作用(行)も識別作用(識)もありません。われわれの感覚器官を考えてみると、五つの感覚と一つの思考器官、すなわち眼と耳と鼻と舌と触覚(身)の五つの感官、これに加えて思考する器官(意)の六つがあるわけですが(これを六根という)、これも固定的な実体はありません。

眼・耳・鼻・舌・身・意のそれずれの対象として色(色や形。目で見るもの)・声(耳で聞くもの)・香(鼻で感じるもの)・味(舌で感じられる味)・触(触れられるもの)・法(思考の対象)があり(以上を六境といい、六根と合わせて十二処という)、さらに識別作用として眼識(目の識別作用)・耳識・鼻識・舌識・身識・意識があり、それらを一つ一つの領域としてみると、眼界・耳界・鼻界・舌界・身界・意界があります。全部合わせると十八の領域(十八界)になり、これら全てが固定した固定した対象をもっていないということなのです。

いやいや、仏教学の講義になってしまいました。

私たちは、眼・耳・鼻・舌・身・意すべて無いなどと言われてもピンときません。それは当然のことで、ふだん私たちはこの世の中にあるものは、実体としてあるという観念のもとで生きて生活をしているからであります。
科学も、原子が分子を構成して重さがあると言う、ニュートン物理学を教わり、それを固定観念としてもっています。この世のことをニュートン物理学で説明して、一応つじつまが合うから疑問を持ちません。

しかし、量子力学と言われる科学の先端は、物体は、物理的実在なのではなく、観測者とモノとの間の「出来事」と説明されているようです。
これはまさに、般若心経が説くところの仏教的認識と一致します。

般若波羅密多を深く行じ、それを極めた境地から見ると、という前提で今回の「是故空中無色無受想 云々」が説かれているのであって、私たち一般のものは、「本当は存在していないけど、縁によって現れたり消滅したりしているのだ、それぞれの脳の働きによって実在するかの如く認識されているにすぎない」といった程度に理解するしかないようです。

〈続く〉
《般若教典(中村元氏)・現代語訳般若心経(玄侑宗久師)などを参考にしました》

水琴窟の音を聞いてください

本堂の西側、くすの木のもとに、蹲い(つくばい)があります。そこにしゃがんで、心を静めるとすてきな水琴窟の音を聴くことができます。
栃木県佐野市法雲寺の住職は、庭師であり水琴窟造りの名人です。臨済会の会合で縁ができ、善勝寺にも造っていただくことになりました。
蹲いの水が地中に落ちるとき、唐津焼きの大きな瓶に反響し、琴のような澄んだ音が聞こえてくるのです。

大本山『妙心寺』に参拝しませんか

来年(平成21年)は当寺の本山であります、京都妙心寺のご開山『無相大師』が遷化され650年にあたります。そこで、50年に一度の大法要が本山で行なわれ、全国の末寺(3,500ヶ寺)の檀信徒がお参りします。

善勝寺(北関東教区第一部)は、21年10月18日朝9時よりの法要にお参りすることが決まっております。前日17日は本山そばの『花園会館』に宿泊すべく予約してあります。善勝寺からは、3・40人程度のお参りを見込んでおりますが、是非この機会に本山参りをして頂きますようご案内申し上げます。

およそのスケジュールは、
平成21年10月17日午後4時花園会館集合。6時、挨拶、夕食(懇親会)。
18日、朝食後諸堂拝観の後、9時、遠諱法要参拝、妙心寺山内拝観、昼食(京料理、場所未定)2時頃解散。
会費一泊3食、参拝費用を含め2万円のところ、部内より補助金5千円がありますので、一人『1万5千円』です。
(洋室ツインルームをご希望の方は千円ほど高くなります。京都までの往復の費用は含まれていません)

この本山の遠諱法要にお参りしてみたい、とお考えの方は随時お申し込み下さい。定員になり次第締め切らせて頂きます。

地球温暖化防止、ゴミ問題

一人一人の心がけが大切です

  • 車庫の屋根に太陽光発電を設置し、およそ一年が経過しました。6,400KWH発電し、CO2削減量は1,000KGC以上となっています。もう一台の車も燃費の良いプリウスに換えるべく契約しました。
  • バイオによる生ゴミ処理機も市の補助金をいただき購入しました。不思議に生ゴミが消えていきます。
  • 地球温暖化防止、ゴミ問題などは、我々一人一人の心がけが大切で、政治任せでは解決できないと思い、できることから実行したいと考えています。

役員会議事録より

4月22日、『善勝寺定例役員会』が召集され、午後4時からの新庫裡地鎮祭に参加の後、5時より書院にて役員会を開催しました。
以下、決議事項を報告致します。

  1. 平成19年度の会計決算は、報告の通り適正であると承認。剰余金は20年度会計に繰り越し、新庫裡の建設費に当てることが承認されました。
    (檀信徒の皆様には、本決算書を同封しました。また、施餓鬼法要の時、役員より会計報告を行います)

  2. 施餓鬼会に関する件。昨年に準じて行うこととし、案内等に関しては、住職に一任する。

  3. 青壮年部のメンバーを全員役員になっていただいてはいかがか、と云う提案が、関根責任役員よりあり。全員の賛同を得、後日役員と青壮年部合同の会合を持ち、依頼することを決定。
    上記、3項の申し合わせにより、6月14日午後6時、役員と青壮年部合同の懇親会を開催し、その席で青壮年部の全部員が役員となり、これまでの役員と共に総代とすることが決まりました。

善勝寺の役員 (順不同)

今後、予算決算の承認、責任役員の選出等重要な案件は「総代会」で行い、他のことは「責任役員会」にて決定させていただきます。尚、善勝寺護持発展のため、皆様の建設的なご意見ご要望などをお聞かせ下さいますよう、お願い申し上げます。
《役員一同》

編集後記

  • 『善勝寺だより』お盆号(63号)をお届けします。
  • 当山では、4月22日新庫裡の地鎮祭を全役員出席のもと行い、現在梅雨空のなか基礎工事が進んでいます。7月中に上棟の予定です。
  • 墓参用の線香は、ライターで火を着けてください。紙を燃やすとお墓が汚くなりますのでご遠慮願います。
  • 今年も、施餓鬼当日、当寺にて「墓参用生花」を販売致します。2束千円と、大変安くなっています。是非お求め下さいませ。
  • 尚、同封の書類は、本書の他、施餓鬼法要のご案内(鶯色)・お盆とお施餓鬼(青色)・施餓鬼塔婆申込書(ハガキ)・ハガキの書き方(記入例)・収支決算書(当寺一般会計)です。是非ご一読願います。

お願い

緊急の場合を除いて、寺への電話連絡は朝9時以降、夕方は5時頃までに。
また、お盆・施餓鬼会のお問い合わせは、同封の案内をよくご覧の上で、解らない点をお尋ね下さいますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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