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第67号 お盆号(平成21年7月1日発行)

善勝寺だより 第67号
平成21年7月1日発行
発行責任者 明見弘道
暑中お見舞い申し上げます。

梅雨空のもと、境内の紫陽花が様々な色に咲いて楽しませてくれています。
檀信徒の皆様におかれましては、益々ご清福のこととお慶び申し上げます。

新しい庫裡の前には小さな池があります。睡蓮と蓮が植えてあり金魚が数匹泳いでいます。
水はそこから10メートル程小川のように流れ水槽に貯まり、ポンプで汲み上げ循環するようになっています。
今年5月、その小川に当寺責任役員の小川浩さんが平家蛍の幼虫を200匹ほど入れてくださいました。6月8日、もうそろそろ出てる頃だが、と言って他の役員さんを伴って小川さんが見に来られたところ、ナ・ナ・ナント、5・6匹飛んでいました。室内の電気を消し歓声を上げて皆でしばらく楽しみました。
それから、日を追って蛍の数が増え20匹以上確認したときもあります。生まれてこの方一度も蛍を見たことがないと云う寿司屋の大将、共和小学校の先生、生徒、PTAの理事、等々多数の方に観てもらいました。
池の周りにはちょうどこの時期、蛍袋(ホタルブクロ)もたくさん咲いており、なかなか風流なものです。
室内の水槽と違い、蛙やドジョウ、メダカのいる中、卵から幼虫・さなぎ、そして成虫へと育つ確率は非常に小さいと思われますが、蛍の育つ環境だけは維持しておこうと考えています。
さて、お盆も、近づいてまいりました。ご先祖様の生前の徳を偲びつつ、我が家で先祖様と共に過ごし、家族が一つになる大切な行事であります。お盆と施餓鬼のいわれ。また、施餓鬼会の案内など同封致しました。家族皆様でお読みいただきたき、家族そろってお盆をお迎え下さいますようお願い致します。

文末になりましたが、時節柄ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

明見弘道合掌
別紙案内の如く、『山門大施餓鬼法要』を8月13日(木)厳修致します。
同封の書類をよくご覧の上、お申し込み頂き、多数御参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。
尚、今年はバスの運行時刻が変わりましたので、法要開始時刻をこれまでより各座とも30分遅らせました。
また、参拝人数を平均するため地域による区分けのことですが、去年と一部違うところがありますのでご注意下さい。
別紙案内をよくお読みの上、間違えのないようご来山下さいますよう、また、塔婆のお申し込みは、準備の都合上、できるだけお早めに郵送下さいますようお願い致します。

東光山ミニ法話

『般若心経』その17

般若心経

菩提薩 は、お経ではボーダイサッタと読んでいますが、インド語ではボディサッタヴァ。菩提は自覚、薩 は丈夫という意味です。仏道を求むる衆生に勇健なる志がある。そこで菩提薩 という。と辞書にあります。求道者つまり菩薩様のことを言います。
これまで多くの菩薩達がこの「般若波羅密多」を実践され、心にわだかまりがなくなりました。「菩提薩 は般若波羅密多に依るが故に、心に 礙なし」。 礙は、覆い妨げるもの、心を覆うもの、こだわり、障りとなるもの、また、邪魔をするものと言う意味もあります。
心無 礙は、心の中に何のさしさわりもない、何のわだかまりもないことです。

[すべてこの世の中は、自分というものを捨てきれないところから、いろいろなさしさわりが生じてくるのであります。自分を捨て去り心の本体を自覚すれば、心にいらざる思いごとがなくなるのであります。](無文老師)
[「いのち」本体の感覚に戻れば「私」の都合は関係なくなるんですから、突っかかりも引っかかりも妨げもなくなるに決まってます。](玄侑師)

「 礙なきが故に恐怖有ること無し」 [般若の智慧が体得できれば、心にいらざる思いごとがなくなり、さしさわりがなくなるならば、恐ろしいことも、怖いこともなくなります。死にたくないと思うから、殺されはせんかと恐れ、金が大事だとしがみついておるから、盗まれはせんかと恐れるのが人間であります。ましてや、権力や名誉にこだわって人と争う者は、寝ても覚めても恐怖の連続であります。

勝てば即ち怨みを生じ、負くれば即ち自ら鄙し。
勝負の心を去れば、争い無くして自ずから安し。
寝ても覚めても安らかなり。

(法句経)

菩薩には、人に勝ちたいなどという邪心がありませんから、恐怖を感じることは少しもありません。](無文老師)

[「恐怖」も「私」が感じていたのですから当たり前ですね。自分の都合を第一に考え、概念で念入りにでっち上げた「私」が勝手に「恐怖」を感じたり「死にたい」と思ったりする。本当に人間の脳って厄介ですね。しかしそんな「私」の思いを真に受けて、本当に自殺したりするのですから……。
死にたいと思ったら、ビルから飛び降りるとか電車に飛び込むとかしないで、一度水にでも飛び込んでみればいいと思いますよ。すぐにわかるはずですよ。死にたい「私」に関係なく、「からだ」は藻掻くでしょ。「死にたい」なんて思っていたのは脳細胞の一部が勝手に作り上げた「私」だけだった、ほかの細胞はみんな生きたがっていたって、すぐに判明してしまいますよ。
だからこの「私」を「いのち」そのものと錯覚したり、あるいは「私」の思いで「いのち」や「からだ」を支配しようというのが、一番困った勘違いなんです。難しい言葉で云うと「 倒夢想」ですね。](玄侑師)

心無 礙は、般若心経の中で特に印象の強いフレーズとして私の頭にインプリントされています。読経の時、このところで磬(かね)を打つことになっているせいかもしれませんが、心に 礙無しは大好きな言葉であります。

科学者の柳澤桂子さんは、
ひとはなぜ苦しむのでしょう……
ほんとうは 野の花のように
わたしたちも生きられるのです


と、心訳般若心経にうたっています。

妙心寺のこと その3

今回は、開山無相大師様のことを説明します。

一般的にお大師様と言いますと、弘法大師(空海)のことを表しますが、この「大師」というのは、偉大なる師という意味で、朝廷(天皇)より授けられた諡号です。
日本で最初に贈られたのは、伝教大師(最澄)です。妙心開山無相大師は今から100年前、550年遠諱の時、明治天皇より賜った名前です。
大師の他、国王の師という意味の「国師」と言う名もあります。やはり朝廷(天皇)が高僧に与えた称号です。
妙心寺の開山様は、関山慧玄と言う和尚様ですが、六代の天皇よりそれぞれ国師号を賜っており、正式名は、「本有圓成・仏心覚照・大定聖應・光徳勝妙・自性天真・放無量光、国師、無相大師大和尚」と云います。ジュゲムのように長い名前になりました。
信州中野城主の次男で1,277年生まれ、鎌倉建長寺の大應国師のもとで修行し、大徳寺開山大燈国師より印可(悟りの証明)を得ました。

その後、美濃(岐阜県)伊深の山奥に庵を結び、農民の助けをしながら、悟後(悟りの後)の修行をされていました。幾年か経過したあるとき、京の都から花園法皇様(前回説明済み)の使者が駕籠に乗って伊深の里に来られたので、村人はびっくり仰天です。そんな偉い和尚様とはつゆ知らず、ちょうほうな乞食坊主ぐらいに思って、牛の世話から子守までさせてしまったと詫び、その後村人達の寄進により、その庵の場所には、妙心寺筆頭奥の院と言われる正眼寺が建立されました。

現在そこは、大学まで備えたとても厳しい修行道場となっています。
開山様が伊深の里を後にされるときには、村人達と共に牛までもが何処までも何処までもついて行き、涙ながら見送ったと云うことです。

〈続く〉

役員会議事録より

4月18日、『善勝寺定例総代会』が召集され、午後5時より書院にて、平成20年度会計決算承認の件を主な議題とする総代会を開催しました。
以下、決議事項を報告致します。

  1. 現状報告。
    新庫裡工事代金支払いに関する件。
    外部工事など一部今年度会計にまたがったものもあるが、全て支払い済みであることを報告。

  2. 平成20年度の会計決算の件。
    報告の通り適正であると承認。
    剰余金1400万円余は、21年度会計に繰り越すことを承認。
    (檀信徒の皆様には、本決算書を同封しました。また、施餓鬼法要の時、役員より会計報告を行います)

  3. 平成21年度会計予算一部変更に関す件。
    第二客殿の工事は、22年度の事業計画であったが、来年の施餓鬼会までに完成させるためには、今年の内に工事を開始する必要があり、工事代金の一部を21年度会計より支払うことを説明し、了承された。

  4. 本山団参に関する報告。
    10月17・18日の法要には、善勝寺からは35名お参りすることを報告した。

  5. その他。
    イ、塚本一郎氏より総代職を辞退したいとの申し入れがあり、協議の結果これを受け入れることにした。
    ロ、今年は6月13日を役員奉仕作業の日とし、彼岸花植え付けと、除草作業をすることを決定。
    ハ、施餓鬼会に関する件。昨年に準じて行うこととし、案内等に関しては、住職に一任する。

尚、善勝寺護持発展のため、皆様の建設的なご意見ご要望などをお聞かせ下さいますよう、お願い申し上げます。《役員一同》

編集後記

  • 『善勝寺だより』お盆号(67号)をお届けします。
  • 10月の妙心寺団参申し込みの皆様には、日程表と共に写経用紙を郵送いたしました。丁寧に写経され当日ご持参下さいますようお願いいたします。
  • 前回の善勝寺だよりに同封しましたフラワー号の発着時刻表に1ヶ所誤りがありました。鴻巣駅1時30分発、善勝寺2時46分着となっていましたが、1時46分着の間違いでした。お詫びして訂正いたします。
  • 今年も、施餓鬼当日、当寺にて「墓参用生花」を販売致します。2束1,000円と、大変安くなっています。是非お求め下さいませ。
  • 尚、同封の書類は、本書の他、施餓鬼法要のご案内(鶯色)・お盆とお施餓鬼(青色)・施餓鬼塔婆申込書(ハガキ)・ハガキの書き方(記入例)・収支決算書(当寺一般会計)です。是非ご一読願います。

お願い

緊急の場合を除いて、寺への電話連絡は朝9時以降、夕方は5時頃までに。
また、お盆・施餓鬼会のお問い合わせは、同封の案内をよくご覧の上で、解らない点をお尋ね下さいますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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