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善勝寺だより

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善勝寺だより 第71号

平成22年6月28日発行
発行責任者 明見弘道
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善勝寺だより第71号

東光山ミニ法話

 『般若心経』 その15

永代供養の善勝寺

  是大明呪 是大無上呪
  是無等等呪 能除一切苦
  真実不虚

玄侑宗久師の現代語訳般若心経では、此処を次のように訳されています。

《「般若波羅密多」というには、じつは特別な呪文なのです。これは神聖で偉大で、本当に力のある呪文です。私(観音菩薩)は無上のものだと思っていますし、他の呪文は比較にもなりません。繰り返すようですが、是れ大神呪なり、是れ無上呪なり、是れ無等等呪なり、なのです。

ですからこの呪文を唱えると、「能く一切の苦を除く」。まさに一切の「苦」を除くことができるのです。これはつまり、この呪文が真実のものであり、虚言ではないということでしょう。》

般若心経の初めに、「照見五蘊皆空、度一切苦厄」と有り、また此処で「能除一切苦」とあります。この世は一切苦であり、思い通りにはなりません。しかし、般若波羅密多を実践し「空」の境地を会得すれば一切の苦厄を離れることができる。が前半なら、この呪文はこの上ない最高のものだから、それを信じてこの呪文を唱えれば、今のままで即座に、一切の苦しみは、ことごとく消えてしまうというのが今回の「能除一切苦」と言えます。

臨済宗本山東福寺の開山聖一国師は、「煩悩を除こう、妄想を取ろうと思ってはいかん。そんなことをして取れるものではない。闇は暗いから、闇というものを取ってしまってそこに明るいものが出てくると思ったら、いつまでたったって明るいものは出ては来ない。明かりさえ持っておれば闇は自ずからなくなる。明かりがあるところには闇はない。闇をのけてからそこに明かりをつけようなんて思ったら、それはできることではない」と言われました。

永代供養の善勝寺また、お釈迦様はこの世の中には四種類の人がいると説いておられます。

「闇から闇へ行く人、闇から光へ行く人、光から闇へ行く人、光から光へ行く人」

一つのつまずきから、深い泥沼にはまるようにもがけばもがくほど闇から抜け出ることができない人、暗い長いトンネルの中で明るい出口を見つけることができた人、順風満帆のように見えた航海でも、突然の嵐に遭うように、予期しないことが起き真っ逆さまに転落する人もあります。光から光へ行く人、この人は病気になろうが、災難に遭おうが、身内に不幸があろうが、予期しない何が起こっても光を見失わない人であり、不幸なことが何もない人ではありません。そんな人はこの世にいません。光から光へ行く人とは、自分自身が灯明を携えている人のことを指します。

自分が灯明を携えると言うことは、自分自身の中に光を発見することでもあります。その道しるべが、般若波羅密多であり、これを手に入れるための呪文がこれから説く最高の呪文ということであります。

〈続く〉
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