善勝寺だより 第100号平成29年9月11日発行発行責任者 明見弘道 (2ページ) |
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東光山ミニ法話
今回は、臨済宗円覚寺派管長、横田南嶺老師の著書を参考にこのコーナーを書きます。
先般、鎌倉円覚寺を訪れ管長猊下にお目にかかりました。「わかる仏教講演会」(11月9日)の講師としておいで頂くための拜請(挨拶)に行きました。
4名で行ったのですが、それぞれにサイン入りの本と、「わたしの観音様」(延命十句観音経)という横6センチ縦9センチほどの小さい本もいただきました。
帰ってこれを開いて感動しました。いつでもお守りのように携帯し、辛いとき・困ったとき・怖いときなどに、開いて読んで頂ければきっと観音様が現れて下さることと思います。
書店から沢山取り寄せしましたので、今度の彼岸法要(23日2時)にお参り頂いた皆様にお配り致します。
そして皆様とともに、延命十句観音経を唱えましょう。
また、それとは別に、老師の著書「祈りの延命十句観音経」という本があります。こちらは是非お求めいただき読んで頂きたいのですが、以下一部ご紹介します。
観(かん)世(ぜ)音(おん) (観音さま)
「延命十句観音経」を講じてみます。
このお経はとりわけ白隠禅師が、あらゆるお経の極意がこの短いお経にこめられていると言って、大いに推奨されました。円覚寺では幼稚園の園児達も毎朝元気よく大きな声でお唱えしています。
仏教にはたくさんの仏さま菩薩さま方がおいでです。お釈迦さま、阿弥陀さま、薬師さまといった仏さま方、それに観音さま、お地蔵さま、弥勒菩薩といった菩薩方、実にたくさんございます。そのどれもが仏さまの心を表しています。
まずこの観音さまとは、正しくは観世音菩薩、世音を観ると書きます。
世音とは世の中の音、声です。世間の人々の声を観る、観るというにはよく見る、心でよく聞くことを表します。
人間には様々な苦悩がございます。どんな方でも、何の苦悩も無い人はいないかと存じます。それぞれ苦しみ悩みを抱えています。どうしようもない苦しみ悩み悲しみを抱えて、どうか観音さまお救い下さいとお願いする気持ちになることがございます。そんなときにその声をお聞き取り下さり、救いの手をたれてくださるのが観音さまです。
人々の苦悩を救ってあげたいという心、これこそが仏さまのお心です。
そして仏教でさらに大切なことは、この仏さまの心は何も特別な仏さま菩薩さま方だけがお持ちになるものではありません。あらゆるいのちあるものみんな仏さまの心を持っているというのが、お釈迦さまのお悟りです。
私達の本心は誰しもみな仏さまの心です。
ただ自分勝手なわがままな欲望、妄想、思いこみによって、本来持って生まれた仏さまの心を見失っています。
「観世音」と第一に呼びかけますのは、観音さまに救いを求めると同時に、私達の本心である、仏さまの心を呼び戻すことでもあります。
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